第227話 見張り
「くそ、くそ、くそ、本当にどうなっているのだ」
「この、かぐわしい匂いはなんとかならんのか?」
「あと500m位後退すれば、匂いの方は何とかなると思うのですが・・・」
「よし、陣を500m後退させる」
「それで原因は突き止められたのか?」
「それが、前線に行ったものだけが腹を壊し、
本陣の者は誰も腹を壊しておりません」
「原因がまったくわかりません」
★ ★ ★
その頃くじ引きで負けた、ミノタウロスの松坂は拗ねていた。
「やっぱ、俺って運悪いよな・・・、向こうに攻めに行こうかと思ったけど、
さすがに、く○まみれの草原を走っていくのは、いやだなあ」
「でもあいつら、攻めに戻ってきたら、あそこ通るんだよなあ」
「綺麗好きの俺としては、許せないから、ファイヤーボールで焼却だな」
その頃、ダンジョンの中では、酒はないが立食のパーティが始まっていた。
「この度は、応援誠にありがとうございます、もぐもぐ」
「でも、どうして退却したのでしょうか、ばくばく」
「さあ、きっと腹でも痛くなったんじゃないでしょうか?」
「あ、これも美味しいですよ、ローストビーフて言います」
「みなさんも、遠慮なさらずに食べてくださいね、在庫はたくさんありますから」
「それで、ケガ人はたくさん、いるんでしょうか?」
「国境の村の住人は、危険を感じて、真っ先に逃げ出しました」
「行ったら,もぬけの殻でびっくりしたんじゃないでしょうか?」
「多分ケガ人はいないと思います、むしゃむしゃ」
一方外では、「松坂さんお疲れ様でした、見張り交代しましょう」
「おお、ツーチェか、すまんな、変わったところと言えば、
敵の陣地がさらに後ろに下がったことくらいか」
「ん、後方で人の気配があるな、獣人も混ざっているようだ」
「私が、上から確認してきましょう」
「どうやら、味方の援軍のようです、数は200名くらいでしょうか?」
「わかった、マスターに報告してこよう」
ミノタウロスの松坂がマスターに「後方より味方と思われる軍勢200が来訪に来ました」
「ご苦労様、まだ料理はあるから食べてね」
黒猫のタンゴが「そちらは、私が対応しましょう」と言った。
つづく。
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