第173話 大三元帝国からの依頼
同じくその頃、ダンジョン協会に1つの嘆願があった。
内容は、大三元帝国が、潰れてしまったポンシェに、
再びダンジョンマスターを派遣してくれとのこと。
この国、いや中央は何を考えているのだ?
マナの集まりの悪いところへ、何故わざわざ誰が行くと思っているのだ?
今までは、裏技を使っていたから存続していただけであって、
とても中央政府の要求の金品には応えられないであろう。
もう、周りの周辺諸国は、離反してしまって、孤立無援状態にあり、
後は衰退していくのみである。
★ ★ ★
大三元帝国皇帝、中銀平。
「協会への嘆願は、通らなかったようだ」
「いかがなさいます、皇帝陛下」
「私に良い考えがある、同国にあるダンジョンを併合する」
「確かに、他のダンジョンを併合できれば、それに越したことはないのですが」
「当国にある、州広と漢武のダンジョンは、自衛団も強力で攻め落とせるかどうか?」
「お前たちは、1つ見落としていないか、モルゴンだ」
「確かにモルゴンにも、ダンジョンありますが、ついこの間モルゴン自衛団と揉め、
今は空き家状態と聞いておりますが?」
「実は、あのモルゴンのダンジョン、ポンシェのところよりマナの集まり良いのだ」
「あそこのダンマスは、わざとダンジョンを大きくせず、
またモンスターもおかないようにして、世間の目を誤魔化して来たのだ」
「さようでございますか!」
「だからポンシェのやつも、あそこを魔王の拠点としたかったんだろう」
「あそこを直轄領として。併合できれば、当面は安定するだろう」
「それに、モルゴンを落とせば、ダンマスも戻ってきて」
「恩を売れる訳だから、向こうもいやとは言えまい」
こうして、中央禁軍は、モルゴン攻略に向けて準備を始めるのであった。
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