第172話 聖獣
俺はその頃、モンスターハウスにて、魔王組とコミニケーションを取るために夕食を共にしていた。
「どうだい、この寿司というのも結構旨いだろ」
「そうですね、生の魚と聞いていたので、もっと生臭いかと思ってました」
「俺もこれは、旨いと思う、なによりこのタレがよく合う」
「しかし、皆さんが意外とあっさりと、俺の元に来てくれて助かりました」
「マスターは、ご存知ないでしょうが、私たち全員聖獣だったんです」
「今から400年以上前は、ダンジョンもなく、私たちは自由に暮らしてきました」
「ところが400年ほど前、ダンジョンが誕生して、
私たちに必要なマナが、枯渇するようになりました」
「私たちも、マナを吸収できますが、ダンジョンコアの吸引力の方が上回りました」
「私たちは、少しでもマナのある場所を捜し求めて、前々のマスターに出会いました」
「前々のマスターは、それは悪いことをした、
そもそも地上にいる悪い魔獣を駆除する物であり」
「君たちのような、聖獣に迷惑をかけて申し訳なかったと言いました」
「前々のマスターは、私たちに一つの提案をしてきました」
「私と契約をして、紐付けをすれば、マナも枯渇することなく、自由に動ける」
「私たちは、この提案に乗ることにしました、マスターは約束を守り、
また私たちは、自由に行動できるようになりました」
「子供たちは、私たちを聖獣様と呼び、崇められ、供物を奉納してくれました」
「私たちが微笑めば、子供たちも笑い返し、それは楽しいひと時でした」
「ある時、町に出かけたマスターが戻ってきませんでした、
そうマスターが何者かにより殺されたのです」
「私たちの紐付けは解除され、私たちは、またマナの枯渇する生活に逆戻りです」
「そこへ現れたのが、ポンシェです」
「それは、さぞかしお困りですね、私が紐付けして、マナをまわしましょうと言ったので」
「私たちは、渡りに船とばかり、契約をしました」
「人を信じ過ぎていたんですね」
「あとでわかったのですが、前々のマスターを殺したのはポンシェでした」
「ダンジョンの縄張り争いで、拡大路線をとっていたポンシェに暗殺されたのです」
「それからの私たちは、ひどいものでした」
「食事は最低限しかあたえられず、おまけに魔王ごっですから・・」
「あらいやだ、ちょっと喋りすぎましたね」
「このお酒と、マスターの面影が前々のマスターに似ているのがいけないのですわ」
魔王たちも結構苦労してたんだなあと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます