第82話 桜でんぶの卵焼き

 孤児院=子供たちが腹をすかせていると思っていたので、

最初から、食い物を用意していた。


 「みんな、お兄さんが、御飯をご馳走してあげよう」

 「よろしいですかな、院長」


 「かまいませんが」


 院長の許可を貰った俺は、おおきな布を子供たちの前に広げた、

子供たちから、見えないように、まるで手品のように。


 「はい、みんなよく布を見ててね、1、2、3ハイ」


 布を外した目の前には、大きな寸胴とトレー、

紙どんぶりセットがあった、

寸胴の中には、4~50人前はあるクリームシチューと、

桜でんぶの卵焼きがあった。


 もちろん、パーティクルでドーンしただけだが。


 「おじさんすげー」子供たちから大歓声があがった。

いや、おじさんじゃなく、お兄さんなんだけど・・。


 ついでに、バンとアイスティも出してやった、午前の紅茶だけど・・


 「うわ、これうめえ、こうゆう芋の食い方もあるんだ」

 「この黄色いのも甘くておいしい」


 子供たちには大好評だった。


 「院長も、おひとつどうぞ!」


 「あらほんとにおいしい」うっすら涙を浮かべているようにも見えた。


 帰り際に、体調の悪そうな子ように中級ポーションと、

当座の資金にと、ダンジョンインゴッドを5枚置いて来た。


 院長、子供たちから見送られ、帰路についた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る