咲いた咲いた
御等野亜紀
咲いた咲いた
青い花咲いた
赤い花咲いた
白い花咲いた
を3回繰り返す
バシャバシャ
お風呂をでていく子供たち
外ではパパが拭き拭きしてくれる
ゴロがいいから3つの花を唱えるのだけど
ある日、下の子が言った
黄色やピンクは何故ないの?
さて、困った
理由なんてないしな
そしたら、一番上の子が下の子に話し出した
「ある国でね
お花はとても貴重なものだったの
でもね
どこの国が運んできても
そこの国では花が咲かなかったんだ
だから部屋の暖炉の近くで育てたの
みんなが囲んでお花は咲いたの
それはそれは見事な青色の花だったみたい
だけど花はだんだんと暖かさに赤い色になったの
みんなはびっくりしたけど
枯れなかったことに感謝したんだ
夜になって十分温まった部屋でね
その花を置いてみんな寝てしまったら
次の日花は枯れかけてたの
皆が慌てて暖炉をつけたけど
なかなかもとの元気な花に戻ってくれなくて
それでお国の魔女に頼みに行ったの
お国の魔女はこの子のために
と魔法の温かみをかけてくれたの
そして命を吹き込んでくれると
花は白くよみがえったの
その国の花では3つの色が特別だった
ママはその国の特別な話を
聞いてきたんだよ
若いころにね
だから私たちはお風呂場で
その国の花が枯れないように
今でも繰りかえして咲いた咲いたというのだよ」
即席だろう
でも、自分の娘に私は感謝した
年上の娘がウインクしてくるのを
私は笑顔で受け止めた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます