感染人

古嶋要太

第1話

2030年

人類はとあるウイルスによって汚染された。


ウイルスはたちまち世界に広がり、死者を増やした。

ウイルスに対抗すべく、世界中の科学者が集まり、薬の開発に勤しんだ。


だが、それは全く効かなかった。


2XXX年現在

人類はウイルスの抗体を持って生まれることが多くなった。

昔と変わらないいつも通りの日々ができるようになったのだ。


だが、ごく稀にウイルスに感染することによってウイルスに対抗する能力ちからを発現する者が現れた。

それは人口の約1%が発現するので遺伝子などは関係ないらしい。

それを政府は《感染者》と名付け、世界中が恐れた。

化け物、クソ野郎など言い方は様々で酷い言われようだ。

日本にも感染者はいる。


俺も《感染者》は好きじゃない。

今はもう、感染者との和解がもう難しくなっているからだ。

感染者は理性をなくしつつある。

それは国に対する怒り、憎しみの感情から生まれるものらしい。


幸い、俺はまだ学校に通えている。

学校は比較的安全な場所であるからだ。


俺の名前は櫻葉寛大。

高校生だ。

今日も学校に行き、授業を受ける。

学校ではマスクの着用、私語の厳禁が法律で定められている。

みんなあまり喋らない。

だが、休み時間などはマスク越しで話してるつもりだ。


「おっす!櫻葉!」

「おはよう。今塚」


こいつは今塚翔人。

高校で知り合った俺の親友だ。

めんどくさがりで短気なやつだが友達思いのいいやつだ。


「今日はなんかあるのか?」

「へへッ!実はな、俺の家の近くでよ。コンビニを見つけたんだよ!」

「え!?コンビニ!?今の時代、コンビニにで稼ぐなんて、ありえない。」


今はテレワークや動画投稿の収益、ましてやロボットが食事を運んでくる時代だ。

学校は何故だかリモート授業にしてくれない。

それは国に金がないからだ。

感染者の増加により働けなくなった人達が増えた。

高校までは無償で授業を受けさせてもらえるようになったが、何せ金がない。

だから、コンビニなんて稼げるはずがない。


「なな、今日コンビニ行ってみようぜ!」

「あ…あぁ」


俺はそのコンビニに不安を抱いた。

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