第30話⁂琉生の凶行の後始末!⁂




 警視庁刑事部捜査第一課勤務の昴は、愛する家族にどんな恐ろしい闇が隠されているのか、その秘密を探るべく刑事部捜査第一課勤務を志願した。


 高校生の頃から不審に思っていた、育ての親幸三郎と琴美の言動。


 突然大きな叫び声や、悲鳴が度々聞こえて来て、あんなに忙しい家に居ない筈の父が急に現れたりあれは一体何だったのか……?


 一見絵に書いたような完璧な一家だが………。

 世間の目とは裏腹にとんでもないきちがい屋敷なのだ。


 あの頃は何が起こっているのか恐ろしくて、家に着くと昴は足早に部屋に籠ったものだ。


 今考えると、母琴美が少しずつ狂い始めていた現象だった事に、最近気付いた昴なのだ。

 家族思いの父は、昴には一切母琴美が入院している事を伏せていた。

 母琴美は姑との確執、更には北山との愛欲に疲れ果て徐々に症状が出始めていた。

 そこにきて、琉生の異常性に気付いて更に症状が重くなっていったのだ。


 ある日琴美がラ-メン倉庫に食品を取りに出掛けると、物置小屋に続く道筋に点々と薄茶色の何かの跡が付いているので不審に思い辿って行くと、もう何年も使われていない洗いざらしになった巨大な寸胴鍋にたどり着いた。


 ふとその鍋のふたを開けると、人間のはらわたを切り裂いた首から下の胴体が無造作に入っていた。


「ギャギャ——————————————ッ!」


 真冬だった事と、まださほど日にちが経って居なかった事から、異臭騒ぎにはならなかった。


 犯人は誰なのかは、ハッキリとは分からないが、敷地内に入り込む人物、まずは息子に着目した。


 まさか、あの成績もそこそこ優秀な琉生では無いとは思ったが?

 事が事だけにひょっとして息子が犯人だったら大変な事。


 従業員に監視させて、もし息子が犯人だったら警察に捕まってしまう。

 また幸三郎に知らせて、一番脂の乗り切っている仕事人間の幸三郎の仕事に、支障をきたしてもいけない。


 その為琴美が琉生の行動を監視し始めた。

 すると街に繰り出して若い男の子と連れ立って、やがてはラ-メン倉庫に連れ立って入って行き………中を確認出来る僅かな隙間から中を覗き込んでいると、何やら怪しげな行動、するとその時背後にあった鈍器で、その男の子目掛けて殴り付けようとしている。


 そこで慌てて部屋に飛び込んで「ヤメナサイ!」

 制止させようとするが、聞き耳を持たない。


 異常性愛者の息子は、興奮状態で欲望を抑える事が出来ない。

 母を殴り付けた。

 母はその場に勢いよくバタンと倒れた。


 気を失ってどの暗い経ったのか?

 母が目を覚ますと琉生は{ママに気付かれない内に片付けてしまおう}殺害した若者の後始末を必死になり足早に行っているではないか?


 気を失っている間に残虐非道な殺害は既に行われており、母はこんな気の狂った息子に育ってしまった余りのショックに只々成す術もなく、泣きながら息子に懇願している。

「琉生こんな事は絶対止めてお願い!ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」


「アッ!ママもう起きてしまった~?……アアアアアア!全て知られてしまった!…俺どうにも……もうどうにもならない……我慢が出来ない!……我慢が出来ないんだ!ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」


「……琉生どうしたら・・こんな恐ろしい事止められるの?…こんな恐ろしい事をするんだったらママ…ママを殺して頂戴!ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」


「ママ~!・・・ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭もう…もうこんな事はやらないよ!」


「琉生本当に~?…約束よ!……もし今度こんな事をしたらワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭…もうママ生きていられないワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭…その時はママ本当に・・死ぬわワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」


 その後二人は抱き合い「もう絶対こんな事はしない!」と約束してホルマリン漬けにされた生首諸共、商売用の大型ミキサーで粉々に粉砕して琉生と2人で幸三郎の小型ボ-トで真夜中の海に捨てた。


{処理をしないと息子が大変な事になる、例え精神異常者は責任能力がないので減刑や無罪になりがちだが、それでも複数人も殺害して居たら、いつ警察に捕まり死刑になるかもしれない}と思い行なった行為なのだ。


 こんな異常者でもお腹を痛めた子供だ。

 どんな事をしても助けたい。

 幸三郎が釣り好きで小型船舶免許を取得、その時に琴美も同時に小型船舶免許2級を取得していた。


 姑との確執、更には、そのうっ憤を北山との情事に没頭することで帳消しにしていた琴美だが、その内に北山にのめり込み、琉生の事など目に入らなくなってしまった。


 ハット我に返った時には、琉生はもう取り返しのつかない異常者になっていた。


 琴美は目が覚めたのだ。

{アアアアアア!何というバカな事を、、、あんなに真面目にラ-メン一筋に打ち込んで、私達をこんな立派な豪邸に住まわせてくれ……更にはラ-メン界の貴公子とまで謳われるほどになった、こんな立派な旦那さんを裏切っていたなんて、、、本当に私はバカだった・・・あんな冷淡な北山のどこを見ていたのか、高学歴の商社マンと言う肩書に目が眩み、目の前の一番大切なものを踏み付けにした天罰が下ったんだ...アアアアアアアア!}


 自分の軽率な行動で、北山との関係が白日の下に晒されて、幸三郎が北山を許さなくなり……。


 それは寒波が押し寄せたある日の事だ。

 丁度冬の寒い最中のインフルエンザ蔓延の時期で、お店もお客様の入りが悪く幸三郎も急遽店を早く締めて帰宅した日の事だ。


 いつものように昴を寝かせ付けて、北山と琴美は幸三郎が居ない事を良い事に愛欲にふけっていると…………。


「⋈*。◍*嗚呼~*。⋆💋*・*♥。*アアア~~⋆*。💛・**」


 幸三郎が部屋に入ると「誰もいない~?」


 奥の寝室から何か聞き覚えのある生々しい女の喘ぎ声**・*・*♥。


 そして不審に思い………寝室のドアを開けた幸三郎が見たものは…………???

 何と今まさに激しく愛し合う2人の姿が目に飛び込んできた。


「オオオオ お前ら!ドッ! どういうつもりだ!許せん!許せん‼許せん!!!」


カ———ッとなった幸三郎は台所にあった包丁を持って、北山に向かって振り回して暴れた。


「よくも俺の琴美と乳繰り合いやがって許せん!アアアア!」

恐ろしくなった北山は、取るものも取り敢えず慌てて逃げて事なきを得たのだが。


 その後、幸三郎と琴美は延々と話し合った。


 その数日後に真っ赤に燃え盛る炎の中で無残に焼かれる人影が・・・?


 そんな状況下、琴美は統合失調症を患い入院した。









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