静かな雪

サンサンと雪が降る

音が聞こえるわけじゃない

でも言葉にすると

サンサンと雪が降る


そう私には感じる

子供の頃は雪だるまが

あっちこっちにいくつもできてた

小さな鎌倉を作ってた友達もいた


おいでよ

言われて入ろうとして

幼い頃から太ってた私は

入り口を通れなかった


謀ったはかったわけではないだろうが

大笑いされたから

記憶に残る


そんな苦い思い出も

忘れるほど雪が降らなかったのに

今年はよく雪が降る


別に昔のように

積もった雪が溶けなくなるほどではないが


やはり雪を特別視してしまう


つららがなって

遊んでたら

次の日からおじさんが

あぶないからと

つららを壊すのを日課にしてたなんて

凄く昔話のような気がする


静かな夜はいろいろ思い出す

2年目の彼氏とのデートは

ホワイトクリスマスだった

あのまま付き合ってたら

今頃結婚してたのかな


ホテルとったからやらせて

演出もオブラートもない言葉に

別れたんだよね

男ってわからない


そのまま月日が過ぎて

私は結婚時期を逃してしまった

別にどうでもいいけどね


ただカシミアのマフラーをあげると言われて

それが水色だった時

もう予感はしてたんだ

だって毎回来てる服とか見たら

私の好きな色とか落ち着く色とかわかるじゃない?

水色はわけがあって私が絶対に身につけない色・・・


それを知らないってことは

もう別れの予感がしてた


私はワガママなのかな?

男の人はみんなそんなものなのかな・・・


いつもの小さな職場で

雪をみていたら

男の従業員が雪かきを始めた


これくらいの雪なら

ほっといても溶けそうだけど

歩道の確保は客商売上

絶対事項なのだろう


私はお茶の用意に立つ


静かに降っていた雪に

邪魔が入って

日常に戻された


ちょっとだけ恨めしく思う


別に雪が好きなわけではないけど

想いをめぐらすのも久々だった気がしたから・・・


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