Break fight!
灰城モノシロ
始めに ~きっかけ~
ここを職場に選んで何年が経ったか、今の相棒になってからどれだけ動かしたか、同僚はここにいるだけでどれだけいるのか、そんな事は彼にとってどうでもよかった。一日一日を生きていくことだけで精一杯だった。
彼はトイレほどの大きさの場所でイスに座ったままでもできる簡単なストレッチをすると同時に辺りを見回した。
それはいつもと何も変わらない彼にとっての日常風景。初めてここに来たときと変わってないように思えた。その風景を見た彼はため息をつき、使えそうな物と、廃棄すべき物に分ける作業に戻った。使えそうな物は売り、廃棄すべき物は捨てずに業者に渡すことで生活と社会貢献をしている。
すると、ゴミの中から異質な物が出てきた。それは相棒の腕に似ていた。彼はすぐにそれが相棒の物とは用途が違うことに気づき、使えそうな物、廃棄すべき物とは違う分類にした。そこらへんを見ると片腕のない相棒が作れるように見えた。さっきの腕はこの者の物だったようだ。しかし、やはり相棒と用途が違うように思えた。
彼は瓦礫を集めただけの自分の家に相棒のような物を持ち帰り、動かすことにした。動くには動いた。だがコックピットの画面が映るだけで、他はなにもできなかった。
しかし、その画面に映った物は興味深い物だった。
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