わたしが保護猫カフェにハマる10の理由

※別の場所のお題に投稿したやつの再録です。


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 ここ10年――いや、正確にいうと5年ぐらいだが、ハマっているものといえば、保護猫カフェだ。今回は、その10の魅力を綴っていこう。


1.猫がいる

 そりゃいる。しかも、かわいい子がいる。何かの事情で保護されれば「保護猫」なので、特定の猫種の子もいれば、ミックス、つまるところ雑種もいる。

 いろんな性格の子がいる。気が強い、弱い、ひと好き、ちょっと苦手、ほかの猫が好き、嫌い。いろいろいる。かわいい。


2.ドラマがある

 猫がいるところに、ドラマあり。

 モテモテのいかつい雄猫が、なぜか雌猫にすり寄られると目が泳ぐ非モテしぐさをかましたり、兄弟姉妹で仲良くしたり、ケンカをいつも仲裁に行く学級委員長っぽいキャラがいたり。

 猫関係が発生する。見ていて飽きない。


3.入れ替わりがある

 里親をさがす「譲渡型保護猫カフェ」だと、メンツの入れ替わりがある。

 子猫が来たり、ほかの猫に当たりが強い猫が来たり、最初はおびえていた猫が慣れるとデロデロにひとに甘えたり、その都度さまざまなドラマが生まれる。

 また、子猫だと思っていた猫が、さらにちいさな猫が来ると、おにいさん、おねえさんの顔をのぞかせたり、そういった変化も楽しい。



4.罪悪感がない

 猫カフェで、猫が猫好きの相手をしたからといって、猫に得があるわけではない。それと、店に通っておいて言うのもなんだが、やはり猫は多くて数匹で、落ち着いた環境で暮らすことを好む生き物だと思う。ふつうの猫カフェに行くと、「人間だけ楽しんで……サーセン」てな気分になる。

 しかし、譲渡型保護猫カフェは、里親探しという名目がある。猫を迎え入れる予定のない客にとっても、「我々が払うお金が、猫たちのカフェでの生活を支え、よりよき環境に行くための資金として使われる」と思うことができる。

 どっちにしろ、「猫に得がある」ように思えるので、罪悪感がない。



5.客筋がよい

 猫ならなんでもかわいい。猫ファースト。猫ちゃんの都合に合わせましょ。猫様のスペースにお邪魔させていただいております。そんな客が多いので、抱っこしたり、眠っている猫を起こしたりする客がいない。

「あわわわわ。そんなことしたら、猫ちゃんのストレスになっちゃうー!」と気をもむシーンがなく、ストレスフリー。



6.人間とのドラマがある

 譲渡型保護猫カフェでは、人間が、運命の猫と出会い、迎え入れる、てなことがある。というか、それが店の運営の主目的だ。

 そこにもドラマがある。

「なぜか夫の膝にすぐに乗ってくれて、猫に興味がなかった夫もメロメロ」

「前飼っていた子に面差しが似ている」

「とにかく惚れた」

などなど、迎え入れる理由があり、プライバシーに問題がなければ、許可を取り、店側がブログなどで発信することがある。

「えっ、あの子が膝に来て指をぺろぺろ!? 他の人間にはしなかったよね。そりゃ運命だよねえ」

など、一客として、しみじみする。それもまた、おもしろし。



7.ルールがある

 わたしが利用する猫カフェを選ぶときの二大条件は、以下。


1.抱っこ禁止(すごく人懐っこい猫でも、拘束される抱っこは嫌がるもの。しかも、不特定多数とあればなおさらだ。抱っこは飼っている人間の特権だと思ったほうがいい)


2.オヤツを常時販売していないこと(オヤツで猫を釣れるのは客にとってうれしいが、猫の健康は?)


保護猫カフェだと、このふたつを満たしているところが多い。



8.(里親希望者にとって)猫の自然な姿を見られる

 催事場などに猫を連れてきて行う譲渡会では、大人の猫は、たいてい恐怖で身をすくめている。また、保護している人のところへ「お見合い」に行く形でも、人見知りする大人の猫だと、里親候補者を見て固まってしまう。

 保護猫カフェなら、「いつも猫たちが生活している場」へ人間がやってくる形となるので、より自然な猫たちの姿を見ることができる。

(保護猫カフェにも譲渡会にも、もちろん子猫もいます)



9.(里親希望者にとって)人柄を見てもらえる

 保護猫を迎えたいと思っても、保護団体の機械的な審査だとハネられてしまう属性、というものがある。とくに独身男性。店にもよるが、保護猫カフェだと、属性だけで判断しないところが多い。猫を幸せにしてくれそうかどうかをしっかりと見てもらえる。



10.「その先」を見られる

 里親さんによっては、譲渡したあとの猫の様子をSNSで発信してくれることもある。店では見せなかった顔、ポーズを見せて、安心しきって暮らしている猫たちを見られるのは至福だ。

 ボス猫っぽい顔をしていた子も、ちいさな子たちのめんどうを見て、おにいさん、おねえさん然としていた猫も、でろんでろんの甘えた顔になる。ああ、この子たちがしあわせになってよかった、と思える。

 惚れこんだ猫を迎えた里親さんたちもしあわせそうだ。

 店に通うことで、こういったしあわせな猫、人間が増えるなら、こんなにうれしいことはない。



 以上が、猫狂いが保護猫カフェにハマっている理由だ。

 都内に増えている保護猫カフェは、保護とかなんとか考えず、気楽に楽しく通える雰囲気の店がほとんどだ。ただ、ちいさな個人店が多いので、いずれもクセは出る。


 たとえば、猫たちの安全に対し、何にどれぐらい気を付けているかもそれぞれだ。

猫の誤飲にめちゃくちゃ気を付けていて、おもちゃはレーザーポインター型のみ、みたいなお店もある。わたしが通っている店は、その辺はわりにざっくりしている。

「ここは合わないな」と思ったら、ほかの評判よさげなところを当たってほしい。猫好きなら、きっと満足できる店が見つかるはずだ。

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