こちら黒金忠孝除霊事務所
木船田ヒロマル
晴天の霹靂
「どちら様ですか」
そろそろ日も暮れようかという時間である。
新人霊能者、鈴川タエ24歳はその日、唯一の依頼だった霊障相談の仕事を終えて事務所に帰って来て、自分のデスクに当たり前のようにいる自分と同世代だろうその男に尋ねた。
「これは異なことを」
良い仕立てのスーツ、磨かれた革靴、綺麗にセットされた髪と美形と評して良いだろう
「僕は
「お帰りください」
「何故? ここは僕の事務所だと言うのに」
「警察呼びますよ」
「なんと言って? 所長が事務所に出勤してるんですが、か?」
「そんなことはあり得ないんです」
「あり得ない? おかしな言い草だ。現に僕はここにいるじゃないかタエくん」
「下の名前で呼ばないでください誰ですかあなた!」
「何度言わせる。僕は黒金忠孝」
「ウソよ!!!」
タエは叫んだ。
「それは存在しない架空の人物! この事務所には、最初から私しか霊能者がいないのだから!」
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