第2話 童貞クライシス
― アマイア暦1330年
<大都市ネゴル 診療所>
なにもない真っ白な空間に一体どれくらい
自分の意識が突然、浮上するのを感じた。
「…ンくん?」
どこかで声が聞こえる。
その声は自分の知っている声の気がしたが、どこであったか。
「…ねぇ、ユージンくん?ちょっと…」
ぼんやりとした音は突然、チューニングの合った人の声としてユージンの鼓膜を刺激する。
…女性の声だ。
しかもその女性の声はなんと自分の身体のすぐ下から聞こえた。
「…………」
ユージンはぼんやりとした顔で自分の顔を心配そうに見つめる女性を見つめる。
ショートカットの茶色の髪のトントゥの女性だ。
少しつり上がった大きな目が心配そうにこちらを見ていた。
彼女は右手をユージンの
「またあのトラウマが…?」
小さい右手は愛おしそうに
その
「…」
ユージンはゆっくりと彼女の胸に目をやる。
彼女は一糸まとわぬ生まれたままの姿だった。
小ぶりの双丘に目を落とし、時間にして3秒フリーズ。
そして…
「あばばばばばばばば!!!!!うわぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!」
顔を真っ赤にして後ろに
人肌の生々しく温かい感触が身体から離れ、
ドッドッドッドッドッ!!!!!
エドヴァルトと
自分の顔に全身の血液が集中し、耳まで赤くなるのがはっきりとわかった。
「ええええええええ…………え?いや、な、なんで…」
自分も裸であったことに遅れて気づき、濡れた下半身を布団で隠しながらユージンは上ずった声をあげる。
女性は「なによ、いきなり」とクスクスと笑う。
「ふふふっ、寝ぼけてるの?でもダメじゃない。いくら気持ち良くても
「そ…
「やだ、なにそれ。記憶喪失ごっこ?」
状況についていけずにパニック状態になっているユージンを見て女性は笑う。
「
「は、はははは
声の裏返ったユージンに、裸の女性はゆっくりと近づく。
ユージンはどこに視線を向けて良いかわからず、目を白黒させながら、結局、彼女の小さな膨らみの頂点を凝視する。
すると彼女はユージンの唇の上に自分の人差し指をそっと当てて「シーッ」と
「童貞君ごっこも楽しいけど、ここ、一応、診療所だから大きな声は出しちゃダメ。入院している人はいないけど、急患が運び込まれてくることはあるんだから。こんなことしてるのバレたら私、明日から仕事なくなっちゃうよ」
「それとも」とユージンの首に自分の両腕を回し、女性は甘えた声で
「君が私を養ってくれるのかな?ね、
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