第553話 触手
魔女っ子三姉妹が開けた穴から気色の悪い肉塊が現れる。
身体は爛れ、翼や角が見える。
目玉は‥10個まで数えたが途中で諦めた。
それにしても大量の触手がうねうねと動いて気持ちが悪い。
「アレは何?」
魔女っ子三姉妹に尋ねるが、3人とも首を振る。
「何かはわからないが、まともな生物ではない。
ただ魔術兵団の屯所にいた事から何かの実験生物だと思うが‥。」
代表して長女のロージーが語尾を忘れて説明してくれる。
「うわぁ!」
ロージーの説明を聞いているとパトラの兄が悲鳴を上げる。
あっ、攻撃されてるの忘れてた。
悲鳴を上げるロージーの兄を見ると肉塊の触手に捕まったようだ。
「離せ!化け物!」
斧で必死に攻撃するが触手に傷を与えるだけで、切り落とすまではいかない。
「離せ!」
必死に抵抗するが、最後は肉塊に吸収されてしまう。
ゴクッ
あまりの光景に唾を飲み込んでしまう。
「助けて!」
「クソッ!」
「やめろ!」
帝国兵が次々と捕まっていく。
ん?
そこである事に気がつく。
触手はアリアやリア達には見向きもせず、何故か騎士団の人間だけ狙っているようだった。
とりあえずチャンスなのでパトラを拘束する鎖などを女神の剣で斬っていく。
「あ、ありがとうございます!」
パトラが泣きながら俺に抱きついてくる。
それはもう号泣である。
実の兄に殺されようとしたのだ、さすがに可哀想に思えてきてので優しく抱きしめてあげる。
いつの間にか近づいていたアリアには睨まれてしまうが、引き剥がされるような事はなかった。
・
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「それにしても、アレは何でロドス騎士団ばかり狙うかね。」
今尚ロドス騎士団を襲う肉塊を見て、不思議に思う。
「性根の腐った奴を狙ってるとかでは?」
いつの間にか元気になったパメラが俺の左手に抱きつきながら冗談を言う。
「だったら魔女も狙うだろ。」
右手に抱きついたアリアが皮肉を言う。
「私達は腐ってはないのだ!」
魔女っ子三姉妹のロージーがアリアに噛み付くのであった。
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