第552話 援軍??

 斗馬の絶体絶命のピンチに他のメンバーも駆けつけようと獅子奮迅の活躍を見せるが腐っても帝国最高のロドス騎士団だ、数も兵士の質も上手であった。


「どけ!」


 アリアが血だらけになりながら、短剣と魔法で騎士たちを倒していく。


「エルフの攻撃は軽いぞ。

 反撃はせず、盾で防げばいい!

 そのうち、体力も魔力も尽きる。」


 戦いに慣れた騎士達はアリアの疲れを待つ作戦に出る。


 いくらハイエルフのアリアでも、フル武装した騎士数名に盾で身を固められると苦戦していた。


「だったら私達が!」


 リアとレアがアリアに代わって斗馬の元に向かおうとする。


 しかし、女性である2人ではロドス騎士団の包囲網を突破できずにいる。


「トウマさん!」


 イスカとサバルが騎士とは戦わずに戦場を駆け抜けようとする。


「弓兵!」


 イスカとサバルが攻撃してこないとわかると配置させていた弓兵に2人を狙わせる。


 練度の高い弓兵達は、軽装の2人を見るや攻撃力は劣るがスピードのある矢に変更して狙ってきた。


 斗馬を助ける為に捨て身で駆け抜ける2人に矢を避ける余裕はなかった。


 数本の矢が2人の足に刺さり、移動出来なくしてしまった。


 誰も斗馬の援護に迎える者はいない。


 パトラの兄の執拗な攻撃で斗馬の体力が尽きてしまった。


 パトラの兄がトドメの一撃の為、斧に渾身の力をこめる。


「死ね!」


 パトラの兄が斧を振り下ろそうとした瞬間‥‥


 物凄い爆音がすると壁が崩れさる。


 さらに壁が爆散した事で、辺り一面に破片が散らばる。


「何事だ!」


 パトラの兄が叫ぶ。


 すると壁に空いた穴から魔女っ子三姉妹が走ってくる。

 

 この時、死にかけていた斗馬は三姉妹が助けに来てくれたと感動していた。


 魔女っ子三姉妹は斗馬の所まで走ってくるとそのまま駆け抜けてしまう。


「え?」


 助けてくれると思っていた斗馬の口からは驚きの声がもれる。


「助けてくれないの?」


 思わず魔女っ子三姉妹に声をかけるが全く相手にしてくれない。


「とにかく逃げろ。」


 走りながらロージーから逃げろと言われる。


 何から?と聞こうとした時、魔女っ子三姉妹が出てきた穴から這いずりながらこちらに向かってくる肉塊が現れるのであった。

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