第524話 王の怒り1

 此奴らは何をやっているのだ?

 

 神像から血の涙?

 帝国を守る壁が砂になる?

 

 あきらかに人知を超えた力が働いている。

 誰も口には出さないが、神罰の類だと思われる。

 しかし、何故?神罰を受ける事になるのだ?


 とにかくコイツの話を聞くまでだ。


「さぁ、嘘偽りなく話せ。」


 もう一度、脅しをかけておく。


「め、女神の使徒がローラ王国に現れました。

 その後、グレイン王国で発生したモンスター10万を使徒の力で殲滅させております。」


 使徒が現れた話は聴いたような気がする。

 確か、見張っておけと命令したはずだ。


 女神様も使徒様を見張ったぐらいで神罰を与えるはずがない。

 だったら‥


「使徒の力が我が国への脅威と認定し‥」


「ちょっと待て!

 何故、そんな話になるのだ?

 使徒様はモンスターにその力を使ったのだろ?」


 何故、我が国への脅威になるのだ??


 頭が理解出来ない。


「確かにモンスターに使いましたが、いつその力が我々に向けられるかわかりませんので‥。

 使徒を見張っている者から性格などを聞き、その対策を考えつきました。」


 何故、そんな話になるのだ?

 あ〜この先を聴くのが怖い。


「その対策とは何だ?」


「人質です。

 使徒は人の命を大事にしているようなので、それを利用しました。」


 なんて事をしてくれたのだ‥。


「ん?

 今、利用したと言ったか?」


「はい。

 使徒を無力化する為、ロドス騎士団を派遣しました。

 報告では女や子供を盾にしたところ、使徒は手を出してこなかったようです。」


 成る程、これが女神様が怒った原因か‥。


「痴れ者が!!

 誰がそのような指示を出したのだ?

 人質を使って、使徒様を無力化???

 お前らは女神様と闘うつもりなのか??

 ハッキリ言うぞ!

 今回の事は女神様を怒らせたのが原因だ。

 どうするのだ?

 壁がなくなれば、四方八方の国から攻められるぞ!

 どう対処するつもりだ?

 お前らは帝国を世の代でおわらせたいのか?」


 怒りで気が狂いそうだ。

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