第101話 シルフ


 突然現れた空中に浮いてる女性。耳が尖っていて大きな翼が生えている。


明らかに人間ではない。


ヒラヒラとした透けた衣装を着ていてるのでスレンダーな体型なのがわかる。


アリアやソフィアさんが身構えない事から敵ではなさそうだ。

まぁ、慈愛に満ちた笑顔の美女が敵なわけないけどね。


とにかく相手の出方を待つことにする。


「おめでとうございます!」


女性が突然叫び出す。


口を動かしていないのに声が聞こえてくる。後で葵さんに聞いたがテレパシーのようなものだった。


「あの‥。

 何のことでしょうか?」


お祝いされる身に覚えがないので質問する。


「何をって結婚ですよ!

 今、二人で誓いの言葉を言いましたよね?

 気にかけていたアリアが結婚するとは‥。

 我が子のように嬉しいです!」


女性は感激したのか少し涙ぐんでいる。


俺が困惑しているとアリアが話に参加してくる。


「シルフ様、お久しぶりです。

 過去に一度だけお会いした事がありましたが、まさか覚えていて頂けるとは‥。」


アリアが深々と頭を下げている。


ん?

今、シルフって言ったよね?

たしかシルフってゲームとかに出てくる四大精霊の一人だったはず。

たしか風だったかな。


すげー、四大精霊だよ!

まさかそんな有名人に会えるなんて!!


俺はシルフが出現した理由の事は忘れて喜んでいた。

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