第7話 そしてあのイベント

7【そしてあのイベント】


 斗馬は早く運転したいので、慌てて運転席に座る。バスの計器は基本的には普段運転していたバスと同じであった。一つのモニターに表示されているのは、バスの四方向の映像である。もう一つのモニターには周囲の地図が表示されていた。


 とりあえず街を目指そうと思うので、地図を広域に切り替えて街を探す。

現在地から少し離れたところに道らしきものがあった。そこを辿っていくとカタカナ表記で『ホセ』という名前の街を見つけたので目的地設定にする。


「葵さん、表記はカタカナになってるけど、街の人と会話出来るの?」


「そのあたりは大丈夫ですよ。脳内で日本語に変換するように頭をいじってますので。」


葵さんがトンデモ発言をしている。

脳をいじってるの!?

コワ!


「言葉が通じないと不便ですからね…。」


方法は別にしても言葉が通じる事は助かる。身振り手振りでは厳しいし、異世界なので言葉が通じない事で殺される恐れもあるからね。


誰のおかげかは分からないがとりあえず女神様に感謝をしながら、アクセルを踏み出すのであった。


「あっ、ちょっと待って下さい!1キロぐらい離れた場所で馬車が盗賊に襲われています!襲われている方が劣勢なようです!」


ようです!っで報告終わったよ‥。


これって助けに行かないと不味いよ。


「斗馬さん、助けに行きますか?行きませんか?」


葵さんの言葉に圧を感じる‥。


「ちなみに助けに行くと、バスのことが公になって色々な事件に巻き込まれますよ!たぶん。」


多分って言ったよ!!


「あと、助けないと乗っている高貴な方は散々な目に遭います。それはもう生きているのが辛いぐらいな目には‥。いっそ殺してくれって思うぐらいに‥。」


「どうしますか?」


「イヤ、助けるよ!そんな目に遭うのは可哀想だよ!」


「そうですよね、さすが斗馬さん!!ではすぐに向かいましょう!行き先は変更してますのでナビに従って下さいね。」


俺は助けに向かうのであった。

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