第7話 チラッと見えるパンツ

「お風呂上がりに食べるアイスはいつも食べるアイスより美味しく感じるね」


「そうだね」


 私はカップのアイス、ヒナは棒のアイスを食べている訳だが、なんでこうただアイスを食べているだけの光景がこんなにもエッチな感じに見えてしまうのか。


 よく漫画か何かである棒状の物を好きな人に食べさせてその光景を眺めるシーン、あんなもの何がいいのか分からなかったけど、今その気持ちがよく分かる。


 とても...とてもいやらしい。


 お風呂であったまった体に冷えたアイスを放り込んで体を冷やす。


「明日の美術の授業はペアを組んであ互いを描くみたいだね」


 そうだった、私のような友達いない代表はペアを組む系の授業などは厄介極まりない。


 友達が欲しくない訳じゃないけど、私にはヒナがいる。


「ヒナ、一緒に組んでくれる?」


「うん、いいよ。むしろ最初からヨーコとやるつもりだったし」


「ありがとう」


「ヨーコには私しかいないもんねー」


 まあ、ヒナ以外の友達なんていないけど別に困らないし。


「ヒナが一緒にいてくれるから大丈夫なの」


「ふふふ、なにそれー」


 私は中学の時から友達がいなかった、原因は目つきが悪いからだと思うけど、クラスでも結構浮いている。


 周りでヒソヒソと私の悪口を言っているのが聞こえてきた事がある。


 目が...とか、あの身長が...とか、私は女なのにカッコいいとか言われたりして孤立する事が多かった。


 環境を変えたかった私は地元から離れた高校を選んで学生寮で暮らす事にした。


 高校初日は中学の時と同じような事が起こって私はまた孤立するのかなって思った。


 結局環境を変えても何も変わらないのかなと思いながら寮に行くと、ちっさくて目もくりくりしている可愛らしい女の子が部屋にいた。


 ルームメイトのヒナは私のこの目を好きと言ってくれたり高い身長もモデルさんみたいでいいじゃんって言ってくれた。


 ヒナは私を女の子扱いしてくれるし、こんな私と一緒にいてくれる。


 だから私はヒナの事が好きなんだ。


 アイスを食べ終わった私とヒナは机を片付けて寝る準備をする。


「おやすみ、ヨーコ」


「おやすみ、ヒナ」


 窓から覗く月明かりが部屋を照らし、真っ暗なはずの部屋が少し明るくなる。


 ヒナが寝るまで月や流れる雲、星を見て時間を潰す。


 私はこの時間が嫌いじゃない。


 今日あった事を思い出したりする時間にしている。


 大抵がヒナの事だ。


 私の日常はヒナが中心になっているんだなって思う。


 そんな事を考えていると規則正しい寝息が隣から聞こえてくる。


 本当にヒナは可愛いな。


 サラサラの髪に指を通して愛おしい人の頭を撫でる。


 そのままヒナにキスをする。


 何回キスをしても好きな人にキスをするのはドキドキする。


 寝ている相手にしてるからっていうのもあるけど。


 ヒナの唇を指でなぞる。


 滑らかでとても触り心地がよくていつまでも触っていられる。


「んぅ」


 唇を触りすぎたからか、ヒナが寝返りをうって背中をこちら側に向けてしまった。


 残念、今日はこれ以上出来なさそうね。


 諦めて寝ようとしたが、寝返りをうったヒナのショートパンツからチラッとパンツが見えてしまっていた。


 この前はお腹にもキスしたし、大丈夫よね。


 ダメだとわかっていてもこの衝動に逆らう事はできない。


 一度やってしまったら、あとちょっと、これくらいならと思ってしまい、ブレーキがかかりにくくなるのだ。


 息をこらしてチラッと覗かせているパンツの近くに顔を近づけていく。


 ドキドキする。


 ああ、ヒナ、ヒナ。


 ちゅ。


 好き、大好き。


 背中にキスをした瞬間、私の心がとても喜んでいるのが自分で分かる。


 ヒナの全身にキスしたいな。


 ちゅ、ちゅ、と背中から横腹にかけて軽いキスをしていく。


 寝返りをうった時に布団を抱き枕のようにしているヒナの太ももに目がいった。


 うず。


 我慢出来ない。


 向こうを向いているヒナの顔をそぉっと覗きこむとヒナはスヤスヤと寝ている。


 大丈夫だ。


 ちゅ。


 ヒナの太ももにキスをした。


 細すぎないくらいのヒナの太ももはちゃんと肉付きもあって私の唇を押し返すくらいの弾力はある。


 とても気持ちいい。


 ダメ。


 とまらない。


 好き、好き。


 ちゅ、ちゅ。


「ん、んん」


 またヒナが寝返りをうって今度は仰向けになった。


 そろそろやめておこう。


 これ以上やると止まらなくなるしヒナを起こしてしまいそうだ。


 最後にもう一度頭を撫でて「ヒナ...好き...」と小さな声で呟いた。

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