第6話 寝付けない日もあるよね
今日はヒナが寝付けずに唸っている。
「ヨーコ、寝れない」
「そりゃ学校から帰ってあれだけ寝てたらねー」
「眠かったんだもん」
進級して新しいクラスになったり、グループが出来たりといろいろ落ち着いてきたからだろうか、一気に疲れがきたみたいだった。
寝てた時間にしてみれば三時間も寝てはいないけど、起きてご飯をたべて、お風呂入って宿題片付けていざ寝ようとしてもうまくいかないものだ。
「羊数えたら眠くなるかもよ?」
「えぇ、そんなの絶対嘘だよー。そうだ、どうせなら羊以外のを数えようか」
「羊以外?」
「うんうん、例えば...ヨーコとか」
「え?」
「ヨーコが一人、ヨーコが二人、ヨーコが三人...」
少しあったかくなってきたのかヒナは布団を被るのをやめている。
「ヨーコが三十六人...ヨーコだらけになってきた」
「ヨーコだらけって。それより眠れそう?」
「うーん、全然」
「寝ようとしたら余計寝れなくなるよね」
「なるなる。そうだ、この前みたいにヨーコを抱き枕にしてもいい?起きた時はビックリしたけど、ヨーコが起きるのを待ってる間は何か幸せな気分になったし」
「ま、まあ、それでヒナが寝れるなら。別にいいけど」
この前怖い映画を見た日ヒナと結果的に抱き合って寝たわけだが、先に目を覚ましていたヒナが何も言わずに抱きしめてくれていた事があった。
私が結構な力で抱きしめていたらしく、動けなかったらしい。
起きた時に謝ったら嫌じゃなかったよ、と言ってくれたのが救いだし、可愛いかったし嬉しかった。
ヒナが私を抱き枕にする為に布団に潜り込んできた。
いつも思うけどヒナの行動はたまに誘っているのか、私の事が好きなんじゃないかと錯覚しそうになる。
私がヒナの事を好きだからそうゆう風に考えてしまうだけなのかな...。
自意識過剰かな?
潜り込んできたヒナはそのまま私の体に絡みついてきて服の中にまで手を入れてきた。
「すべすべだね」とお腹を撫でながら言うヒナ。
何がおきてるの。
緊張...好きな人にお腹を撫でられている...ドキドキする...体に力が入ってしまう。
「すごい、体に力入ってるね」
「そ、それはヒナが急に触ってくるからだよ」
「嫌だった?」
「そうゆうわけじゃ...」
「じゃいいじゃん、女の子同士なんだし」
「ま、まあ」
そうだ女の子同士なんだし気にしないでいいんだ...友達同士のじゃれあいなら気にしないけど、私はヒナが好きだし。
こんな事されたら、ドキドキして私まで目が冴えてしまうよ。
今日も今日でヒナは私の気も知らないで無邪気にこんな事をしてくる。
気づいたらヒナは寝てしまっていて、私は興奮して寝るのに時間がかかってしまった。
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