第2話 ストレッチでイチャイチャ?
学校が終わり学生寮に帰ってきて部屋の真ん中の小さな机に勉強道具を並べて二人で宿題を片付ける。
部屋の左右に個人の机があるのにわざわざ二人で小さな机を使って勉強しているのは私がヒナに同じ部屋で背中合わせで勉強するのは寂しいから一緒にしない?と誘ったからだ。
それから勉強をする時はこうして二人で勉強している。
私とヒナは部活には入っていないから学校が終わって用事がなければ基本的にすぐ寮に二人で帰っている。
私達が通っている学校はまあまあな進学校だったりするから勉強が大変だし、部活に入りながら成績を維持できている人はすごいと思う。
「今日の体育は疲れたねー」
「うん、高二になった所だし体力測定ばっかりだもんね」
「ヨーコはいいじゃん、運動得意だし。私なんてダメダメだったよ」
「でもヒナ体柔らかいじゃん」
「ヨーコは体硬いよね」
ヒナは机から少し体をずらして自分の体の柔らかさをアピールしだした。
「はいはい、どうせ私は硬い女よ」
「あはは、ごめんってヨーコ。そうだ、私がヨーコの体柔らかくしてあげるよ」
「どうやって?」
「そっち座って」
言われたまま机から少し離れて座る。
「はい、足開いてー」
正面に座ったヒナの指示通り少し足を開く。
「もっとー」
え、もっと足を開くの?恥ずかしいんだけど。
言われた通りもう少しだけ開く。
「もっとー!」
何故恥ずかしいか、今まだ二人は制服を着ているからだ。
着替える前に宿題をやり始めてまさかこんな事になるとは。
ヒナは楽しそうにもっともっとと言ってるけど、私は恥ずかしくて死にそうだよ。
正面に座ってお互いの足の裏を合わせて手を繋いでいる。
これからやる事が何となく想像つくけど、もしかしたらパンツ見えちゃうんじゃないの?
ヒナにキスをしたあの日から妙に意識してしまう。
「いくよー」
「う、うん」
ヒナが合図をしてからストレッチが始まった。
まずはヒナが体を後ろに倒して私を引っ張る。そうすると私の体は前倒しになってヒナに近づく。
体が柔らかいヒナは自分ができる感覚で結構引っ張ってくる。
手を繋いたりこんな格好をしてるいる事にドキドキしていたけど、そんなのは吹っ飛んだ。
「イタタタタタ!」
「あっははは」
耐えきれなくなって足を曲げた。
曲げた瞬間、私を引っ張るために体重を後ろに持って行っていたヒナに覆い被さるようにぶつかってしまった。
「ご、ごめんヒナ。大丈夫?」
「引っ張り過ぎちゃったね」と言いながらニコニコしている楽しそうなヒナ。
目の前にヒナの顔があると、またこの前のキスをした時の事を思い出してしまう。
早く退かないと。
ヒナにまで聞こえているんじゃないかってくらい心臓の音が鳴る。
「ヨーコの目、やっぱり好き」と言いながらヒナがボールを持つように優しく私のほっぺたに手を添えた。
え、え!?なに!?
なにこの状況!私はどうしたらいいの!?ヒナが...ヒナが私の事を好きって、いや正確には私の目だけど、でも好きって言ってくれた。
嬉しい。
すぐに退かないといけないのにこの状況がいつまでも続いて欲しいと思ってしまう。
でもヒナの好きは私の好きとは違う。
ああ、でも嬉しい。
「わ、私もヒナの優しい目が好き」
「ありがとうヨーコ。でも私そんなに優しい目してる?」
「うん」
「そろそろ勉強の続きしよっか」
「そ、そうね」
私とヒナは机に戻り途中まで進めていた宿題をやり始めた。
「それにしてもさっきのヨーコ、顔真っ赤だったよ?」とクスクス笑いながらヒナがからかってきた。
さっきの事を思い出して、かあっと顔が赤くなるのが分かる。
「そ、それはヒナが」
「んー?」
「もお、早く宿題終わらせようよ!」
「はーい」と言って楽しそうに笑うヒナは可愛いかった。
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