第7話●2021年7月22日 5G(仮)作戦
こちらの世界のテレビを付けると小山田さんのいじめ問題から始まって、辞任します、辞退します、CMを流しませんと東京オリンピックは開会式1週間前から辞退の嵐になっている。
誰もが終わっている。
早く終わればいいのに……
と、思われる期待されていないオリンピックになってしまっている。
ただ、向こうの世界の日本では違った。
レンポウ総理のコマーシャルが6月中旬より流れていた。
CMに立つレンポウ総理は「この東京オリンピックは私の身命を賭しても成功させます」と胸を張って言うだけのCMだ。
それに続くように東京オリンピックのスポンサーのCMがCM枠を埋めていった。
向こうではいま、iPhoneのHDMI変換ケーブルとAndroidスマホからUSB type-cからHDMIに変換するケーブルが馬鹿売れらしい。
無観客オリンピックプロジェクトチームが名付けたオリンピックで自宅に釘続け作戦「5G(仮)作戦」が7月1日から発動していた。
各国のドローンとHONDA、日産等の国産ドローンがアンテナ設備を乗せて高いビルに仮に配置して東京オリンピックを5Gで体感してもらうという計画だ。
電力確保が難しい場所はトヨタの水素エンジン搭載のドローンで対応して東京オリンピック、パラリンピックの期間だけは対応するように日本各地に設置がスタートした。
設置にはドコモ、AU、SoftBank、楽天の技術者だけでは手が足りないので自衛隊の各技術部門がサポートする形で20日間の期間、日本の多くの地区をカバーするネットワーク網が出来上がった。
この時期に東京オリンピックの自宅観戦で出歩かせずに増え続ける新型コロナ感染対策を行うため、自衛隊の技術者派遣を民間と共に行うことを強行した。
5Gホームルーターは携帯各社経由だと契約など手間取るため、シェアエコノミーを得意とするGEOやTSUTAYA等の貸し出しを委託した。
すでに5Gスマホを持っている人達はテレビに繋ぐHDMI変換ケーブルがあれば、HDMI端子があるテレビなら有料のインターネット視聴権を購入すれば見られるようになる。
一先ず、旧メディアの既得権益を棚上げにして事態は進行しているようにみえる。
同じように開会式まで、あと1日に迫っているのに、こちらでは東京オリンピックは悪夢でしかない感じだ。
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この物語はフィクションです。実在する人物、団体、事件等とは一切関係がありません。
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