隣の部屋に住むお姉さんがエッチすぎる件
みょん
隣の豊満なお姉さん
「……腹減ったなぁ」
腹が空いてるぞ、飯を食わせろと言わんばかりに鳴る腹の音を聞きながら俺はそう小さく呟いた。
俺以外誰も居ないマンションの一室、寂しく腹を空かせる俺の名前は
クラスに居る派手な連中みたいに髪を染めたこともなければ彼女も居たことはない、そんな目立たないような人間である。まあ少し趣味の一環でパソコンとかその周りの機器には詳しいけど、普通に過ごしていく分には必要のない知識だ。
さて、時計を見てみればもうすぐ夜の七時になろうとしている。一人暮らしをしているとはいえ、腹が減ったなら飯を作って食えよって話なんだが、実はお隣さんと一緒に食べる約束をしているのだ。だから、そのお隣さん待ちってところだな。
俺は椅子に座り、机に置かれているノートパソコンを起動した。そしてネットに繋ぎ動画サイトへアクセスする。
すると一応チャンネル登録していた配信者が生放送をしていた。名前はカタカナ3文字でマシロという人だ。
彼女は少々特殊というか、他の配信者とは若干違う方面でも人気がある。こうして生放送に入ってみると……どうやらそろそろ終了するようだが彼女についての説明に問題はない。
彼女はよくSNSで自撮りの写真をアップしているのだが、そのどれもが彼女の豊満な胸を写したものだ。下着もそうだし水着とか、普段着を着崩したりしたものであったり、果てにはアニメキャラのコスプレだったりと多岐に渡る。
最近SNSではそういったやり方で有名になっている人も珍しくはなく、マシロはその中でも群を抜いて人気がある人なのだ。
よほどの貧乳好きとか、巨乳が嫌いでなければ大体の人が彼女を目に留める。そこに胸があるなら見る、男の本能とはそんなもんだ所詮は。
一種のグラビアアイドルみたいな一過性の人気かと思えば、彼女はトークも上手くゲームも上手、料理も出来るとあってその方面でも配信者として活躍しているわけだ。
『それではそろそろ終わりますねぇ。これからご飯を作らないといけないので』
:お疲れ様マシロちゃん!
:今日も眼福でしたわ
:いつか俺が君とご飯を食べる男になる
:草
:シンプルにキモい
マシロの言葉に反応するように多くの視聴者のコメントが流れていく。中には万単位の投げ銭を贈る人も居て、これだけで本当にマシロの人気の高さが伺える。
マシロは決して顔出しはしておらず、画面端に映っているワイプには肩から下しか映っていない。つまり彼女の大きな胸が映っていて視聴者からすれば大変満足だというのはコメント欄から伝わってくる。
こういった人気の取り方もあって、オフで彼女に会いたいとか抱かせてほしいとかそういう気持ちの悪いコメントも所々見えるがマシロは全く気にしていない。それどころか時折り煽るような言動や仕草をすることもあってかなり慣れても居るんだろう。
動画サイトの登録者は60万人、SNSは40万人と凄まじい人気を博している彼女、そんなマシロの配信は愉快な音楽と共に終わりを迎えた。
「終わったか……うん?」
ノーパソを閉じたのと同時に、スマホが震え俺は目を向ける。“真白さん”とメッセージの送り主が出ており、開くとこんなメッセージが送られていた。
『終わったから来てもいいわよ〜』
それを見て俺は立ち上がり、玄関に向かって靴を履き外に出た。しっかり鍵をしたのを確認し、隣の部屋の前でインターホンを鳴らす。
するとすぐに鍵が開く音がして扉が開き女性が顔を出した。
「いらっしゃいたか君、どうぞ入って♪」
「お邪魔します」
そう、彼女が一緒にご飯を食べると約束した人で、名前は
父が日本人、母がロシア人の彼女は遺伝なのか髪は綺麗な金髪である。切長な目ではあるがほんわかとした雰囲気を感じさせる顔立ちだ。そして極め付けはその辺りの女性では到底太刀打ち出来ない豊満なバスト、一体そこにはどれだけの夢が詰まっているのか非常に気になるところだ。
真白さんはエプロンを付けながら口を開く。
「すぐに作るから待っててね? 本当ならもう少し早く配信終わらせる予定だったんだけど長引いちゃって」
「いえいえ、作っていただけるだけで俺は嬉しいですから」
スタイル抜群の美女からご飯を作ってもらえるなんて幸運はそんなにない、だからこそ最大限の感謝を込めた言葉だったが、真白さんは何やらぷるぷると体を震わせて俺に抱きついてきた。
「……そういうところ好きよ。ねえたか君、ご飯の後お姉さんといいことしよ? ずっとたか君のために大切にしてたものをあげるから……ね?」
……はっ、思わず魂が抜けるかと思った。体を密着されたことで、当然俺の胸元で真白さんの豊満な胸が形を歪めている。それでけじゃなく、足を絡めるようにして逃げ場を封じ、トドメを刺すようにこんな甘い言葉を囁かれるとか色々我慢が大変だ。
「俺、早く真白さんの作る最高に美味しい料理が食べたいなぁ」
「!! そう、そうよね! 待っててねたか君すぐに作るから!!」
妖艶な表情から一変、お姉さん頑張るの表情に変わった真白さんはぴゅーと飛ぶようにキッチンへ向かった。
「……危なかった」
元々俺と真白さんはこのマンションで知り合っただけの関係だったけど、紆余曲折あってこうして互いの部屋を行き来する関係にまでなった。
真白さんの言動や行動に常に理性が溶かされそうになるものの、まだ俺は頑張っているけど……今日みたいなのがずっと続いてると色々と大変である。
さて、少し話を戻すが真白さんが口にした配信という言葉……何か繋がりを感じるとは思わないだろうか?
真白とマシロ……まあ簡単である。今鼻歌を歌いながら料理をしているのがマシロこと真白さんなのである。
配信の時に着ていた胸元がガバッと開いている服もそうだし、ワイプから覗いていたあの胸は決して偽物ではない。時折り豊胸したんだろとか偽乳とかよく見かけるけど、そんなことは断じてない。あれは本物だと俺が証明する!
って、ファンの人に知られたら殺されるどころじゃ済まないかもしれないけど。
「それにしても配信の時また気持ち悪い人が増えたなぁ。でも投げてもらったお金の額は凄かったし、これからも私とたか君のためにもっと落としてもらわないとね♪」
可愛くウインクをしながらそう言ってるけど、視聴者の人が聞いたら泡吹いて倒れそう……それこそガチ恋勢と呼ばれる人は血吐いて死にそう。
まあ俺という存在を影も形も匂わせてないし、真白さんにしても特定に繋がるものは一切ネットに出ていない。
だからあまり心配することはないけれど、っとそんなことを感じていた俺に、真白さんの冷たい声が届いた。
「そういえばたか君、さっき抱きしめた時に女の匂いがしたけど……あれはどういう経緯でそんな匂いが付いたのかしら?」
「……ひぇっ」
真白さんの雰囲気に思わず後ずさってしまった。目から光を失ったその瞳は正に深淵を見ているようで恐ろしい……だが、前述したが俺は学校でもそんなに目立つ人間ではないし彼女も居ない。つまり、こうやって匂いが付くのは少し事故があったからなのだ。
取り敢えずまずはそれを説明することになりそうだと、俺は深く溜息を吐くのだった。
ネット上で大人のお友達にファンを多く持つマシロ、彼女の中身はやっぱりエッチなお姉さんであり、そしてかなり嫉妬深い女性でもあったのだった。
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