第10話 『噂の軍人じゃァァァァ!!』
自衛隊の訓練基地。そこで特に優秀な成績を収めた若者がいた。
彼の名を日下部 柊一(くさかべ しゅういち)。
銃も体術も作戦式も、全てにおいて完璧だった彼は、多くの人間から期待されていた。
しかし、ある事件がきっかけで彼は変わった。
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今日はとも子の夫の命日。とも子は墓参りにやって来ていた。
バケツを持ったとも子が坂を登ると、一人の男が小さな墓の前で座っているのを見つけた。
最初は気に留めなかった。しかし、とも子が夫の墓を掃除し、線香を焚いて帰ろうと坂を見ると、まだその男は墓の前で座っていた。
「バババババ! なんじゃ若いの? 死人でも見えたか?」
男は答えない。
「見えるはずはないか。ワシにも見えん!!」
そう言い、とも子は大きく口を開けて笑う。
「長年連れ添ったというのにワシの夫は一度も来てくれたことはない。なのにお前みたいな若造に死人が来ると思うか?」
男は動くことはない。
「死人はここにはおらんよ。いるならここじゃない。ワシはそう思うのう!! バババババ!!」
そうとも子は言うと坂を降りていった。
しばらく経って男は立ち上がる。
「……その通りかもしれませんね。でも、僕にはこれしかありません」
そう言うと墓に拳銃を置く。
「…………また取りに来ます」
そして男は去っていった。
【後書き】
真面目そうな回?
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