第13話 買い物

 牛時


カフェに入った俺たちは雑談をしていた。


「へぇ~、片瀬君お姉さんいるんだ。意外だね一人っ子だと思ってたよ~」

「香久山さんは弟?」

「妹だよ~。この子なんだけど超かわいいの、いつも甘えてくるし。呼び方だっていまだにねぇねぇだよ?」

写真まで見せつけてきた。

これは天使だな、うん。香久山さんとは違った可愛さというか幼さというか、。

「小学生?」

「ん~ん、中学生。意外でしょ」

「まじか。見えねぇ」

「そこがいいのよ、片瀬君には分からないだろうけど」

いつものにやけ顔ではなく、にんまりというなんとまぁみっともない顔だ。


~~

食事を終え、買い物ルートに戻った。


「何買うか決めてるの?」

「ん~まずは調理器具とエプロンかなぁ~」

「自分の?」

「私と妹の分だよ」

「料理するんだ」

「なになに~片瀬君。君は私の手料理をたべたいと?だめだよ順序大事に」

「なんだよ順序って」

「んん~内緒だよ」ニヤニヤ

腹立つのに可愛いと思う自分にイラっとくる。けしからんぞ、俺。


さっそく調理器具を選び始めた。

最新のIH対応のお鍋にフライパン。何種類かの包丁にハサミ。大き目のまな板。

選ぶチョイスは悪くない。

しかしは、ガス火である。よって選んだ鍋とフライパンはすぐに使えなくなる。

仕方ない。


「なぁ香久山さん。フライパンはIH対応のやつでいいの?」

「あっ!ちょっと待ってね、確認してみる。」


電話を掛け始めた。おそらく母親だろう。


「おっけ~。了解です」


「どうだった?」

「ガスコンロだったよ。なんでわかったの?」

「さあな。家庭によって違うからじゃないか?」

「ん~ん。なるほどね~。まぁありがとう」


「時間もないし早くエプロンも選んだらどうだ?」

「帰りのバスは何分後だっけ?」

「30分だな」

「急がなきゃなだね」


「片瀬君も手伝って!私か妹のやつどっちか選んで」

そう来たか。ニコニコ女め、これは二択に見える一択しか選べない問題だ。

この場合妹を選ぶことはできない。

自分の妹なら選ぶことになんら支障はないが、相手は他人の妹だ。しかも面識もない。

見ず知らずの人に選ばれたエプロンなんて少し倫理的に問題がある。

はっきり言うがきもくて着たくないだろう。


「…なら香久山さんので」

「ふふっ、ならよろしくね!期待してるよ~」


~~

今回は真剣に悩んだ。

薄い水色と薄い黄色。甲乙をつけがたい。

イメージ的には薄い色が似あうだろう。しかし難しい。

清楚系な水色。上品な綺麗さの黄色。どちらがいいか。

ここは願望で選ぶとしよう。



「へぇ~?片瀬君はこのエプロンを私に着てほしいの?」

「…いや別に嫌なら選びなおすけど。」

「そこは素直に着てほしいって言うながれでしょ~」

「なら着てほしい」

「いいよ、明日着てあげる」

「は?」

「言ったよ明日君の家に行くって」

「ゲームだけじゃないの?」

「ん~ん。土日の使い方は私が決めることだよ~」

なるほど、理不尽だな。

嬉しいが少し横暴だと思うぞ、全く。







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