さは也すか也

ぱぱぱぱぱぱぱぽぱぱぽぱぱにぱぱぱぱぱぱ

極楽

 一日遷都 三日で殲倒。儚き心の理想郷。

 身より外には見るなかれ。七竅しちきょう穿てばたちまちにして散りゆかん。

 我が身を三省せば、生き業かの流れを遡り、懐古の糸を紡ぎ出すごとに、母なる海に還するを恐れん。


 そう、ありあわせの詩を読んだ子供がいた。

土手で猫じゃらしを一つ取り、振り回しながら土手を歩いた。

 ひどく青い空の下でコンクリートの地に足をつけながら、あるはずのない生まれ変わる前の自分を偲び、現代の「僕」と言う形に作られた最新の自分に奇妙な結び目を感じている。

 霊薬を探し、そのままこの島国で母に還ったものの、人間は生まれ変わるものだということを理解した刹那、自分がやってきたことはとても意味のない者だと言うことに気付かされたのだった。還ることに恐れた人のささやかな我儘わがままだったのだと。そう結論付けた。

 嗚呼、王はどうなられたのだろうか。

 私のように新しい自分になられたのだろうか。

 私は見つけることは出来なかった。ある書物には金品を王から貪っただけの詐欺師だとも記された。かと言って否定する権利は私にはなかった。

 この罪深い私。

 また生まれ落ちた私。

 自分に語りかけて時間を晒し、川の流れに沿って歩く。

 鉄橋をくぐり、その上で電車が踊る。

 ガタンゴトンガタンゴトン。ガタンゴトンガタンゴトン…

 川の流れに沿わず、あの電車に乗るという道が在ればどれだけよかったか。

 川の辺りに取り残された私はどうすればいいかわからない。

 東の海の果てに、思った様な幽玄なる理想郷はなかった。

 ここは、法なぞはあるようで無い。

 ユートピア。揺蕩たゆたう人が作った人工の島。故に母なる海に最も近く、最も遠くて危うい呪い。

 

「いや、やっぱりつまんないな…」


 余計に考えれば考えるほどういが募る。

 いつのまにか斜陽が頬を照らしていた。


「お母さんに怒られる前に帰ろうっと。」


 夢見た常世は何処いずこ。呟きは風化した。

 完全なる世界が今日も終わり、そうして、いつもの日常は消沫と化した。

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