兄と妹

勝利だギューちゃん

第1話

「あー、疲れた」

アパートの鍵を開けて、ベットに倒れこむ。


「もう、何もしたくない」

完全にグロッキーだ。


台所・・・

というほど大袈裟でもないが、食器が重ねてある。

洗っていないから、当たり前。


少し前まで、妹と同居していた。

でも、今はいない。

お嫁に行った。


「よく貰い手があったな」

妹が結婚すると言ったときは、溜息が出た。


落胆ではなく、安堵の溜息が・・・


妹は綺麗好きな割に、自分では何もしない。

掃除、洗濯、皿洗いなど、全部僕がやってた。


ていうか、妹にやらされていた。


まるで、小姑だった。


ただ、食事だけは作ってくれていたので、ありがたかった。

今となっては、あの味が恋しい。


妹がいたから、自堕落にならずにすんだかもな・・・


「・・・ちゃん」

「グーグー」

「お兄ちゃん、起きなさい」


懐かしい声に眼が覚める。


「あっ、妹よ。どうしてここに?」

「妹はじゃないでしょ?名前で呼んでよ」

「面倒くさい。作るの」

「作るって・・・」


妹は、呆れた顔をしている。


「で、どうした?妊娠したか?」

「まだ、行ったばかりだよ」

「で、義弟くんは元気か?」

「それがね・・・追い返された」

「ワンスモア」

「だから、離婚したの」


なぜ?

まだ、一か月も経ってないぞ。


「理由はね・・・」

「言わなくても、わかる。義弟くんを、こきつかったんだろ?俺に対してのように」

「ピンポーン。さすが、お兄ちゃん」


出戻り娘になった・・・


まあ、ありかな。


「で、またよろしく、お兄ちゃん」


ちなみに両親は、遠い所に行った。

そう、

遠い所に・・・


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兄と妹 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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