学生編
第一章「夢の始まり」
突然だが、僕が小説家になろうと思ったのは中学2,3年くらいの頃だ。
当時中学では朝読書の時間ってのがあってな。その時間に読む小説を探していて、まぁなんとなく名前を知ってた『涼宮ハルヒの憂鬱』を手にとった。
それが僕とライトノベルの初めての出会いだった。
中学生だった僕にとって、ハルヒはなんとも刺激的で、オタク文化に引き込むには充分な牽引力を持っていた。
当時の僕はといえば、男女混合グループでワイワイして、話のネタもドラマや俳優。漫画もせいぜいジャンプかチャンピオンぐらいのもんだった。
彼女こそいなかったが、まぁリア充だったのかもしれない。
しかしハルヒをキッカケにどんどんその手のアニメ、ラノベを貪るようになって、結果として出来上がったのはにわかキモオタだった。
クソ田舎の中学でオタクなんて迫害の対象でしかない。
今まで絡んでいたグループからもハブられ、数少ない同士と共にアニメについて細々と語る……それが僕の中学生活後半だった。
いや、何の話?
だいぶ本筋とズレたけど、そんなにわかキモオタ時代に読んだラノベで、僕は小説家になろうと思ったんだ。
その作品はというと、セカイ系の金字塔こと『イリヤの空、UFOの夏』だ。
小説を読んで泣いたのはイリヤが初めてだった。
僕は今でも秋山先生の書く文章が一番好きだ。
イリヤに感銘を受けた僕は、早速小説を書き始めた。
しかし、プロットなどという存在すら知らずに書き始めた物語は、ハッキリ言ってゴミみたいな出来だった。
そもそも15Pぐらいで嫌気がさして破棄したので、小説として成り立っていない。
あんまりにもお粗末な出来だったので、当時は「あぁ、僕には小説書く才能はないんだな」と悟った。丁度受験が迫っている時期でもあり、小説を書く時間自体取れなかったのもある。
それから無事受験を終えた僕は、一時期不登校になったりしつつもオタク仲間を見つけ、高校生活は楽しく過ごすことが出来た。東京遠征して始発でコミケに並んだり、毎日放課後集まってゲームしたり、なんでもない日々だったけど楽しかった。
そして楽しすぎた僕は受験の存在すら忘れ、大学受験自体せずに高校を卒業した。
学生という立場でないなら働かなければならないのだが、僕は死ぬほど働きたくなかった。だから浪人して大学に入り、モラトリアム期間を得たのだ。
僕が再び小説を書こうと思ったのは、大学に入ってから2ヶ月後のことだった。
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