第2話:プロローグ2
「ごきげんよう、オードリー様。
今日も艶のある濡羽色の髪がお美しいですわね」
「ごきげんよう、パトリシア様
パトリシア様の少し黒みがかった深く渋い呉須色の髪には負けますわ」
親友と私が創り上げたこの世界では、色に大きな意味があります。
使える魔術が生まれ持った色彩で決められているのです。
黒系の色彩は水属性魔術が使える証拠です。
白系の色彩は金属性魔術が使える証拠です。
呉須色ならば青を基本に赤と黒が加わっていますから、木属性を基本に火と水の属性魔術が使えます。
私の濡羽色は一見黒だけに見えますが、青、紫、緑などの光沢を帯びて見えます。
水属性に木と土の属性が加わり、火の属性が隠れています。
金色の瞳と、全く混じりけのない完全な白色、純白の肌なのです。
だから光属性と金属性の魔術を使う事ができます。
更に大切な事は、魔力があるかどうかです。
属性の色彩を帯びていようとも、魔力がなければ魔術が使えません。
体内に魔力器官があり、魔力を持つ家系が王侯貴族になれるのです。
使える魔力量は、その魔力器官がどれだけの時間にどれほどの魔力を創り出せるか、どれだけ多くの魔力を蓄えられるかで違ってきます。
私はそう言った基本設定と課金システムを知っている強みを生かしつつ、バクの有無を確認して、どこまで設定や歴史を改変できるか確かめている所です。
最初はゲームの世界に転生しているとは思っていませんでした。
単に前世の記憶を持ったまま生まれ変わったのだと思っていました。
だから少しでも今生を有利に生きるために、一生懸命前世の知識を忘れないようにしていたのです。
親友と私が創り上げたゲームの世界だと理解するのに二年ほどかかりました。
両親が私の御世話をしてくれていれば、名前で直ぐに分かったのでしょうが、ブルーデネル公爵家の当主と夫人が、自分の娘を世話する事などありません。
乳母を始めとした側仕えの侍女が私を育てたので、全ての登場人者の名前を知っている私でも、確証をつかむまで時間がかかってしまったのです。
ゲームの世界だと疑いだしてからは、強くなることに全力を注ぎました。
同時にこのゲームが悪役令嬢版なのか仮想戦記版なのか、あるいはハーレム版なのかを確かめる事にしました。
どのゲームでも死亡ルート以外用意されていない悪役令嬢ですが、使える魔術も登場人物の性格も違うのです。
いえ、正確に言えば、同じゲームでもルートによって登場人物の性格が違っている、ご都合主義で一貫性のないクソゲームなのです。
そんなゲームに転生してしまった以上、設定も歴史も変えないと、十八歳で殺されてしまうのです。
まずは力をつけて生き残る事が一番なのです。
まあ、設定や歴史を変えられればの話しですが
グッシャーン
「キャアアアア」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます