転生した世界が色々適当すぎるんですが

無月

プロローグ

むかしむかし、世界はデバフに呪われた

全てがぐちゃぐちゃになり混沌の世になった時代があった


それをどうにかしようと立ち上がったもの達が居た


彼らは勇者などでは無い勇者になどなり得ない、

勇者には成し遂げられなかっであろう事を彼らはやり遂げたのだ


曰く、その者は魔王であった

曰く、その者は管理者であった

曰く、その者は教師であった

曰く、その者は司書であった


曰く、曰く、曰く、


今では物語の題材となった戦いは、

皆個性的で、沢山の仲間たちが居た


そんな個性的な彼らをまとめ上げ、平和へと導いた者は、実はただのギルド職員だったと言う


しかし、彼らと親交のあった勇者は語る

「彼が平凡?それはどんな冗談だい?

だってあの個性的なパーティをまとめ上げたカリスマ性を持っているんだよ??

それに、僕らが気付けなかった歪みを見つけ、さらに魔王との和解まで持って言った手腕の持ち主だ。

もう一度聞こう、これのどこが平凡だって?

それに彼だけじゃない。彼の仲間たちもだ

みな何かしら一流の腕や頭脳を持っている強者達の集団と言ってもいい。

僕は勇者と呼ばれたが、たとえ腕っ節が強かろうとも、彼らには一生勝てない

そう思うよ」


その話を聞いた魔王は首を傾げ言う


「我々はただその場のノリと流れに身を任せていただけなんだが…?」


共に居た教師は困惑する


「この世界、デバフのせいなのかなんなのか、数字にものすごく弱くて…

文系は強いのよ?だから地頭はいいはずなのに…」


話を振られた管理者は乾いた笑いを零しながら語る


「勘違い、転生モノあるあるですよね

でもここまで綺麗に決まったのをリアルで見ると笑うしかない」


遠く地で記事を見た司書は目を見開いた


「え?なんでこんな英雄的な記事書かれてるの?!

なんで?!!?」


…まぁ、1番頭を抱えるているのは彼…

ただのギルド職員だったはずの話題の青年だろう


「何がどうしてこうなった…!!

この世界があまりにも適当すぎたせいか?!

いやそれは元凶のかけたデバフのせい…?

でも何故誤解が解けない…?!

え、なんで?!!?

勇者!!おい勇者!!

お願いだからそれ以上余計な事は言わないでくれ!!

俺はただ!!平和にギルド職員ライフを楽しみたいだけなんだよ!!!!

頼むから俺を英雄に祭り上げないでくれ!!!」


これはただ適当すぎた世界に転生したものたちがデバフに抗い、戦う物語である

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