記憶の欠片
@yori5155
第1話
輪廻転生。それは、死した命は新たな生命を授かり、そして死ぬ。これを繰り返すサイクルのことをいう。そして、前世の記憶が次の生命に受け継がれることがまれにあるといわれている。ここは、前世の記憶持ちが当たり前に存在する世界。
この世界では、前世の記憶のことを「記憶の欠片」と呼んでいる。だいたい10歳前後には、ほとんどの記憶がよみがえりその体に前世の経験を反映できるという。前世が料理人なら料理の経験が、狩人なら狩りの経験が、鍛冶師なら鍛冶の経験が受け継がれるのである。しかも、記憶の欠片はいくつかあり、どの記憶を自分に反映させるかを選べるらしい。そんな人間がだいたい6割の確率で存在している。
これは、青み掛かる黒髪にサファイアのような瞳を持つ少女と明るい茶髪に太陽のようにきれいなオレンジの瞳を持つ少女が魔物を倒したり、ダンジョンを攻略したり、上司にこき使われたり、基本的に無双するかもしれない、そんな感じのお話である。
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「ここどこだ?」
水滴が落ちる音があたりに鳴り響いている。どうやらここは洞窟らしい。にしても、硬い地面の上で鉈から体がバキバキだ、いてえ。えっと、
「こころ、おはよう」
「ん、おはよ。なんで、私はれいに膝枕されてるの?」
「理由はおきて、現状把握したらわかるとおもうよ」
「ん、わかた」
そういうと、体を起こしてキョロキョロあたりを見渡す。なんか小動物みたいでかわいいな。そのあと、しばらく硬直してこっちに目を向けてきた。
「れい、いくら幼馴染とはいえこんなよくわからないところに誘拐はよくないと思うの」
「いやいや、なんでそうなる!?これは私も被害者だよ!?」
「そなの?てっきり、れいが血迷ったのかと思った」
「なんか私の評価がひどい気がする。とりあえず、現状の確認とかいろいろ話そ」
と、いうわけで、かくかくしかじか。
「魔法使えないのは痛い。私の主力攻撃が封じられてる」
「だね。ま、身体強化と無理すれば近距離の探知はできそうなのは救いだね」
「探知はできるって言っていいか疑うレベル」
「まあね。でも、できないよりはましでしょ」
「ん、これからどうする?」
「どうし―――」
突然、頭の中に声が鳴り響いた。
『さあ、みんな目覚めているようですね。
それでは、皆さんにはゲームをしてもらいましょう!』
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