兄猫の逆襲 トイレの乱
凶暴猫からオシャレ大好き猫に変身した猫ちゃんには、お兄さん猫が居ます。
荒れる妹猫と適度な距離を保っていたのですが…。
妹猫が落ち着いて平和になったと思っていた頃、
兄猫がトイレを外しまくり、穏やかだったのに飼い主に噛み付く事態に。
兄猫の抗議行動の原因を聞く事になりました。
「お兄ちゃん、こんにちは」
低〜〜い声で〈はい〉
俺は怒ってます!!光線、出しまくりです^^;
「何に怒っているのかな?」
〈お父さんもお母さんも、妹が可愛くなったからって浮かれすぎ!!
妹だけ、甘やかし過ぎ!はしゃぎ過ぎ!!
妹だけプレゼント貰って(可愛いおリボンが一杯届きました)
俺にも豪華オヤツくれよ!!〉
そうですね!おっしゃる通りですね!早急に対処します!
で、速攻で豪華オヤツなぞ進呈したけれど、トイレ外しが収まらない。
再度、お兄ちゃんに聞いてみた。
「トイレ外さないでって言ったのに、何故外すのかな?」
〈妹がすっごく調子に乗って、俺のトイレを使うんだ。
超ムカつく!
それと!俺は昼間に仕事場にいる。でもトイレが無いから外に行くんだ。
外でトイレをするのは、本当は車が通って怖いんだよ。
だから、仕事場にもトイレを置いて欲しい。〉
お兄ちゃんの言い分は判った。
次に、調子に乗ってると言われた妹猫と交渉。
「お兄ちゃんにケンカ売ったらダメです。
お兄ちゃんのトイレを使ってはダメ!
お兄ちゃんのトイレを使ったら、大好きなおリボン取り上げますよ?」
〈!!!…判った…〉おリボン大好きなので、しぶしぶ承諾。
兄猫の要望を全て受け入れ、仕事場と家にもトイレを増やし、
兄猫用は蓋付きトイレにし、チップもヒノキ系に変えた。
「トイレを外さない」と約束し、これでおさまるかと期待した。
が、
一時的におさまったと思えた時もあったけど、
再度、激しくトイレを外す兄猫。
妹猫に、「何かやらかしたか?」と聞いた所、
〈お兄ちゃんのトイレを使ったー。
お兄ちゃんのトイレの方が、かっこいいもん〉
妹〜!!! 何の反省もしてないな!!
兄猫が仕事場に行って不在の時を狙って、兄トイレを使用していたらしい。
この頃、雄猫はトイレに非常に拘る事が判明。
だから、何よりも自分のトイレを使われる事が許せないのだろう。
だがしかし!モノには限度がある。
飼い主の譲渡にも限度がある。
これ以上、兄猫の為に出来る事は何も無い!手は尽くされた。
もう一度話を聞こうと兄猫を呼ぶ。
黒いモヤモヤに包まれた怒りの瞳の兄猫登場。
あー、これは…黒い思念が強くなっている。
話をする前に、遠隔霊気で黒いモヤモヤを浄化!!
兄猫の瞳が落ち着いた所で、話を始める。
「お兄ちゃん、トイレを外さないでって言ったよね?
お父さんお母さんを困らせて、嬉しいかい?」
以前の穏やかな瞳に戻った兄猫が答える。
〈俺は、妹に嫉妬してたんだ。
あれだけ我儘な妹の言う事を聞いてたのだから、
今まで良い子だった俺だって、我儘言ったっていいよなって。
お父さんお母さんの1番は自分でいたい。2番は嫌だ。〉
「勿論!お父さんお母さんの1番は、お兄ちゃんだよ。
お兄ちゃんが1番、妹が2番!!
トイレも、お兄ちゃんのは蓋付きの立派なトイレでしょう?
お兄ちゃんが1番大好きで、トイレも立派なのはお兄ちゃんの。
妹は2番で、トイレも蓋無しですよ。
1番のお兄ちゃんが、トイレの失敗は恥ずかしいですよ。
見本を見せて下さいね。」
〈俺、ここまで突っ張ったので、どう謝ればいいのか判らない〉
「大丈夫!ちゃんとトイレでして、シーしましたよ♪って、
トイレの横で、尻尾振って待っててごらん。
お母さんが、えらいねー!って褒めてくれるから」
〈判った。ちゃんとトイレでするから、
お父さんお母さん、僕を褒めてね。〉
数日後、兄猫が語ってくれました。
〈お母さんと仲直り出来た…と思う。
妹を引き取ったのは、迷惑なんかじゃない。良い事なんだ。
俺達猫族の命を1つ、救ってくれたのだから。
俺は今まで幸せばかりで、試練が無かった。
今回の事は、俺の心の器を大きくしなきゃいけない試練だったんだ。
俺は妹を守るボス猫にならなきゃならないのにな。
妹も、お兄ちゃんゴメンナサイと、頭を下げたし。
俺、立派な男になる様、頑張るよ。
お父さんお母さん、ごめんなさい。
トイレの失敗はしません。
俺は立派なボス猫になります!〉
1週間後
飼い主さんにトイレを外してないか?確認した所、外してないと。
しかし、行動がおかしい。
とても頑張ってる感じはあるが、抱っこも拒否で飼い主と距離を置いている。
仕事場の入り口付近に、スプレーの様なオシッコがかけてあり、
とても臭くて困っている。
と言う事で、兄猫にどう言う事なのか?話を聞いた。
〈俺が仕事場のトイレを使う様になって、外でマーキングしなくなった。
それにより、周辺の雄猫の勢力図を変えようとしている動きがある。
俺は自宅周辺に他の猫を近寄らせたくないから、
仕事場の入り口にマーキングした(反猫はお前か!)
俺はこの家のボスだから、寄り付く雄猫と闘っている。
今、気が立ってピリピリしてるから、ちょっとした動きで噛みついて
怪我をさせるかもしれないから、敢えてお母さんを避けている。
家のトイレの失敗はしない!男の約束だ!
俺を応援してくれるなら、力が出るようお肉のオヤツが欲しい。
俺は家を守るんだ!!〉
兄猫の決意に、速!お肉系オヤツの手配をした飼い主さんでした(^∇^)
兄猫が荒れだしてから3週間、これにて完全決着!…な筈。
心が折れそうになりながら、頑張り続けた飼い主さんに拍手です!
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