空組レター「短命でも輝いてます!」チワのすけ君

チワのすけ君 享年0歳6カ月

       お兄ちゃん犬亡き後、生後3か月で家族に。

       程なく心臓が悪い事が判明。

     生後6か月の時に、隣県の病院で心臓手術を行う事に。

     手術前1週間の入院を経て、手術中に旅立つ。

     飼い主さんは、手術前の入院をさせてしまった事に、

     心を痛めていらっしゃいました。


初見のご挨拶「チワのすけ君、こんにちは」


<僕は幸せで幸せで、幸せだったの!!

 お母さん、ありがとう!!大好きーーーーっ!!!>


満面の笑みで、幸せだーー!!!と叫ぶチワのすけ君。

うんうん。君はとっても幸せだったんだね。

判るよ~(#^.^#)ニッコニコ♪の笑顔だもんね。


「お母さんからお話があるの。

 手術前の入院で1週間も一人にして、

 寂しい辛い想いをさせて、ごめんね。って。」


ここから、チワのすけ君が語ってくれました。


<あのね、お母さん。

 手術をしなくて、家の中で目の前で逝ったら、

 なぜ、手術しなかったのか?と後悔する。

 ギリギリまで入院させずに手術に臨んでも、

 なぜ、早くから入院させなかったのか?と後悔する。

 どういう形を取ったとしても、後悔したんだ。

 だから、あの選択は間違ってなかった。

 手術は、お母さんが用意出来る最高の治療法だった。

 高額の治療費が掛かるのに、僕の為に探してきた病院だった。

 僕には感謝しかない。

 

 それにね、入院中の僕は、一人では無かったんだ。

 お兄ちゃん(故先輩犬)がずっと傍に居てくれたんだよ。

 2人で、あのオヤツは美味しかったぁ♪とか、

 あの時は、とっても楽しくて幸せだったぁ~~♪って、

 幸せな時の思い出話をずっとしてた。

 だから、寂しくなんかなかったんだ。

 僕は幸せで。でも旅立つから心の準備が必要で。

 入院中に、旅立つ心構えが出来たんだ。

 それに手術前に、お母さんに会えた。

 それだけで嬉しかった。

 お母さん、ありがとう。大好きだよ。

 

 あのね、まだコチラ側に来る前の事なんだ。

 僕は『短命』の荷物を背負って、コチラ側に行く事を決めていたんだ。

 『短命』だから、飼い主さんを悲しませる事が判ってる。

 だから、どの飼い主さんの所に行こうかな?と探していた時、

 お兄ちゃん(故先輩犬)が誘ってくれたんだ。

「僕のお母さんは、君が『短命』でも絶対に幸せにしてくれるよ。

 僕のお母さんの所に行きなよ」って。

 だから、お母さんを悲しませる事が判っていたけど、

 お母さんの所に来たんだ。ゴメンね。


 お母さん

 僕は『短命』だったけど、

 幸せで幸せで、とぉーーーっても幸せだった!

 幸せ過ぎて、命が輝いて、心も輝いて、魂も輝いた。

 幸せなまま、魂もピカピカに輝いたまま、旅立ったら、

 こっちの世界に来ても、まだ輝いているんだ!

 ねえ、想像して。僕の身体はピカピカに光っているんだよ♪

 ピカピカ光ってるチワワが、お空でスキップしてる。

 それが僕だよ。

 

 幸せは、命の長さじゃないんだよ。

 飼い主さんに、一杯愛されて、僕も飼い主さんを一杯愛して、

 それだけで幸せになれるんだ。

 それだけで、命は輝くんだよ。

 『短命』でも、魂が輝く程に幸せになれるんだ。

 僕の身体が輝く位に、僕を幸せにしてくれて、ありがとう。

 

 あのね、犬界には、コチラの世界へ旅立つゲートがある。

 『短命』や『病気』の荷物を背負った子達が通るゲートには、

 病気でも幸せだったハスキー兄さん達が

 「大丈夫だよ。勇気を出して行っておいで」って、

 並んで見送っているんだ。

 そのハスキー兄さんの前足の間に、ちょこんと座って、

 僕も一緒に見送ってる。

 ハスキー兄さんが、僕を見ながら言うんだ。

 「この子を見てごらん。

 『短命』でも幸せで、幸せ過ぎて、今でもピカピカ光ってる。

  大丈夫。この子みたいに幸せを掴めるよ。」って。

 ハスキー兄さんに紹介される僕は、自分を誇りに思う。

 

 お母さん、ありがとう。

 僕はお母さんのお陰で、今でも幸せだ。

 ピカピカに光り続ける程に、幸せなんだ。

 僕を思い出す時は、ハスキー兄さんの足元で、

 ピカピカに光りながら、胸張って座ってる姿を想像して。

 ピカピカに光りながらスキップする僕を想像して。


 お母さん

 僕は、幸せで幸せで幸せ過ぎて、今でも光り輝いてるよ。

 ありがとう。大好きだよ!>



幸せは、命の長さではないのです。

 

 

 

 

 

 

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