マルチーズの姉弟ケンカ5 真実

この時点で、すっかり穏やかに、可愛くなったわん太君を、

マル美ちゃんは、どう思っているのか?遠隔で聞くことに。


<あのねー!わん太ったら、教えても教えても3日で忘れるのよ!

 すっごいバカなの。私の苦労、判る???>


へ?いきなりのお怒りモードのマル美ちゃん。落ち着いてー!

メンタル完全復活!のマル美ちゃん、もしかして厳しい犬??


マル美ちゃん

<私の仕事はね、お家警備隊なの。

 リビングから家の外の気配を探ってる。

 これは家族の足音、検針員、怪しい人とか、

 足音を聞き分けてるの。

 お家警備隊の仕事をわん太に教えてるのに、全然っ覚えないのよ!>


わん太<マル美の言う事、全然っわかんない!> 

・・・言いきったよ。・・・アホのコなの??


<わん太わね、猫から犬に変わったばかりなの。

 一人前のマルチーズは、「可愛い」って言われなきゃいけないの。

 でもね、「可愛い」って言われるには、やってはいけない事がある。

 噛んではいけない。怒ってはいけない。イタズラしてはいけない。

 守らなきゃいけないルールがあるの。

 散歩途中に大型犬のいる家の前を通るの。

 そこの大型犬は、挨拶にとっても厳しいの。

 「こんにちは~、前を通らせて頂きます~。」って言わないと、

 「おう、そこのちっこいの!なってねーぞ!」って、脅されるのよ。

 (なんつー極悪大型犬ですか!!)

 わん太に、ちゃんとしなさいって言っても、

 いっつもヘラヘラして通るだけ。挨拶も全然っ覚えないのよ!>


かなりお怒りのマル美ちゃん・・・スパルタ指導してました??

そして<マル美の言う事、意味わかんない!>と答えるわん太君。


ふと思いつく・・・わん太君、耳ちゃんと聞こえてる??


ブリーダーさん宅から来た時、わん太君は内耳炎に罹っていたそう。

ここで、私の頭の中の女帝ハスキーさんに聞いてみた。

「わん太君の耳、ちゃんと聞こえてる?」

<普通の犬が10だとしたら、わん太は5しか聞こえていない。

 人の足音は判るが、人の判別は出来ない。

 車の音は聞こえるが、車種の聞き分けは出来ない>


そうか~。わん太君、耳が悪かったんだね。

だから、マル美ちゃんがいくら教えようが、

「意味がわからない!」だったんだね。」

ここでやっと、全部繋がった。


わん太君は、人の足音を聞き分ける程の聴力は無い。

だから、お家警備隊の仕事は意味が判らない。

大型犬の声も聞こえないから、挨拶しなくても平気だった。

マル美ちゃんは、わん太君を一人前のマルチーズにしようと、

毎日、熱血指導で怒りまくる、ビシバシ姉さんだった。

可愛いと言われるのは、マル美ちゃんばかり。


マル美ちゃんに怒られてばかりで、追い詰められたわん太君が、

<出ていけー!可愛いのは、ボクだけでいいんだ!>と、

暴言吐いて、自分がボスになろうとしたと。


わん太君も辛かったね・・・。

耳がよく聞こえてないの、誰も気づいてなかったもんね。

頭が悪いんじゃなくて、耳が悪かったのにね。

暴言吐くのにも、理由があったのです。      続く  

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