勘違いの小犬1 強いのはワタシ!
生後半年、お家に来て4か月の体重3キロの子犬ちゃんの相談を受けました。
家族を噛む。来客に吠えまくる。名前を呼んでも振り向かない。
散歩で会う大型犬に吠えまくる。抱っこすると噛む。歯磨きもさせない。
飼い主の男の子曰く、
「名前を憶えてないんじゃないかな。ノーも判ってないと思う」
早くもアルファ症候群に、お育ちっぽい。
イヤイヤイヤイヤ!4か月もいて名前を知らないなんて、ありえません!
子犬ちゃんとコンタクト開始。
「お名前呼ばれて振り向かないのは、なぜ?自分の名前、判ってるよね?」
<メンドクサイ>(おい!・・・落ち着け、私)
「君のご主人は誰?」
<お母さん>(ごはん貰うからな。そこは判ってるわな)
「子供たちは?」
<チョロイ>(・・・踏ンデイイデスカ・・・)
「お散歩で会う大きなワンさんに、なんと吠えているの?」
<ワタシが、家で一番強いのよ!
アンタより、ワタシの方が強いんだから!!って言ってる>
ソウネーーー。3キロの子犬が一番エライのー。ソオーー・・・。
はい、スパルタ指導入りまーす♪
暴れて噛もうとする子犬の手足を、逃げられない程度に握って横倒しに寝かせる。
大きな声で、子犬ちゃんの目を見つめ(睨み?)一喝。
「君は犬!家族の一番下!!
お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃんの下!
何があろうと、人を噛まない!!ノー!」
抵抗するのを諦めて、体の力を抜いてじっとした所で、横倒しポーズ終了。
生まれて初めて怒鳴られたのか?ガクブルの子犬ちゃん。
私としては、かーなーり声を抑えたのだが(ハスキー仕様だし)
チビる程、怖かったらしい。すまんのー。
お兄ちゃんに、毎日やるように言ったのは、以下の3つ。
家族全員誰がやっても、おとなしく横倒しになるよう練習する事。
嫌がっても、抱っこをする事(暴れなくなるまで)
ノーは判らないではなく、やらないだけ。
やりたくない事でも、これは家族のルール!と、やりとおす事。
翌日。
私に抱っこされた子犬ちゃんは、<おにいちゃーん>と助けを呼ぶ。
お?お兄ちゃんを頼ってる??
<おにいちゃん、だいすきー。おねえちゃん、だいすきー。>
「散歩で大型犬に会ったら、なんと言うの?」
<こんにちは~ってあいさつして、
いっしょにあそんでもらえたら、うれしいですっていう。>
なに?この激変!!!
聞けば、さっそく家族全員に、横倒しのポーズをさせたという。
お兄ちゃん、躾を頑張ったんだね~。いいコだぁあ。
子犬ちゃんは、今まで外の世界を知らなかったからねー。
家の外には、こんなに怖いオバサンがいるって判って、
自分が小さい事、弱い事を知ったんだね~。
君を守ってくれるのは、お兄ちゃんお姉ちゃんだって、理解できたね。
良いコに、育っておくれ~。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます