第7話

「あ」


 その日は、普通な日のはずだった。

 彼女。

 昼。

 自分のほうに、来た彼女の。服。

 紅く染まっていた。

 飛び散ったような、何かの。

 彼女が、人をあやめたのだと、思った。

 綺麗で、紅い血の色。


「トマトジュースこぼした」


 彼女はそう言って、ちょっと控えめに、濡れている部分を手で持ちながら、自分の上に乗ってきた。

 だめだった。

 自分の服もトマトジュースまみれになった。

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