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 気が付いたらベッドの上にいた。

 真っ白なベッド。真っ白なカーテン。真っ白な天井。

 左手には透明な管がつながれている。


 どこからかセミの鳴き声が聞こえてくる。


 ガラガラガラという音。「失礼しますね~。」というどこかのんきそうな声が聞えた。

 足音がこちらの方に近づいてくる。

 シャーという音と共にカーテンが開かれた。

「あ、目が覚めたんですね~。」

 声のした方に顔を向けると、看護士がこちらを見つめていた。目が合うと彼女はにこりと笑う。

「体の調子はどうですか~?」

 そう言って僕の顔を覗き込む。

「ちょっと待っていてくださいね~。すぐに先生を呼んできますので~。」

 そう言って看護士はドアから出ていった。


 周りを見ると、隣のベッドもカーテンが閉まっていた。


 前に向き直り、ぼんやりと天井を眺める。

 どうやら僕はまだ生きているらしい。その事実がじんわりと脳内に浸透していった。


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