ほら、また戻ってきた

 本を読む上で、一つだけ苦手な事がある。それは読み終わる時。言わば現実に引き戻される時だ。物語を客観的に眺め、喜怒哀楽をするその瞬間が確かにそこにあるのに、残酷にも世界は切り離される。あわよくば君の人生に僕を連れて行ってくれよ。この一冊以上の物語を、僕に。そうして顔を上げてご覧。

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