私と彼の想い

バブみ道日丿宮組

お題:私の想い 制限時間:15分

私と彼の想い

 最初は気のせいだった。

 ただの勘違い、そうそんな感じの日常であるはずだったのに胸の奥に響く想いは日に日に強くなった。

 これが恋なんだって思ったときにはもう私は動いてた。

「どう?」

 彼を無事家に連れてくることができた。

 両親は娘をおいて海外旅行なんか行っちゃってるから、しばらくは私と彼との毎日を送れる。

「学校のことは任せてね。休学届けを代わりに出しておいたから、変に思われることないよ」

 マイクで話すと彼は何かを叫んでた。

 私がお母さんにもらった部屋が気に入らなかったのかな。

 20畳もある立派な部屋ーー寝室、トイレ、洗面所、お風呂、台所と全部が揃ってる。宅配はさすがに届かないから私が届けてる。

 あぁあと刃物はもうこの部屋から取り除いたの。

 お母さんたちがね、昔刃物で飼ってたペットが死んでしまったから、何かを入れるなら注意しなさいっていてたんだ。

「ふふ、かわいいな」

 隠しカメラと、カメラを最初のうちは探そうとしてたのに今はもう諦めて、私の言葉だけを聞いてくれる。そう……私の想いだけを彼は聞いてくれる。

 私だけの人になった。

「私我慢できなくなったらどうしよう」

 彼は相変わらず喚いてるので、スイッチを入れる。

『こんなところに閉じ込めてもお前の思い通りになると思うなよ。いくら動画にとったり、みたりしても値打ちなんてでるもんか! 逆にお前が逮捕される材料になるんだよ!』

 熱い。彼の言葉で身体が火照ってしまいそうだ。

 でも、私の言葉をもうちょっと聞いてほしいな。やっぱりお母さんが残してくれた薬を少しずつご飯に入れていかないとダメかな。

 お母さんたちが帰ってきた時に私の旦那さまだって紹介したいし、そのときは外に出さなきゃいけないものね。

 五体満足が理想だし、この際脳の中身がどうなったって関係ないよね? 私だけを見てくれれば想いは遂げたのと同じ。

 そう私たちは熱々のカップルになれる。

「そういえば、私妊娠したの。あなたの子をね」

 はじめてを受け入れたのは彼が暴れて大変だったな。

 連れてきたときは手錠とかしてて、私も楽しかった。

『今すぐおろせ、それは俺の子どもじゃない。お前も育児が大変になるだけだ!』

 恥ずかしいのか彼の言葉に必死の色が感じる。

 でも、それは嫌だな。

 彼の想いが私の中で蠢いてるんだもの。

「大丈夫、一緒に育てていこうね」


 お母さんたちが帰ってきた時、無事に私は彼を紹介することができた。

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私と彼の想い バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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