帰国

バブみ道日丿宮組

お題:反逆の大雪 制限時間:15分

帰国

 太陽神や海王神など、神様はたくさんいる。

 信仰もたくさん。

 日本というのは仏教があるけど、だいたいこだわった感じはないね。日本はとくにクリスマスの意味合いを間違えてるっていったほうが正しいくらいだ。

 私は神様ってのを信じてない。自分が自分を強くして、相手が自分を奮いたたせる。そのくらいの信仰心しか持ってない。

「はぁ……」

 そんな私が疫病神にでもなったのか、わざわざ帰国時に大雪を降らせなくてもいいだろうに。神様はよほど日本を離れた私を恨んだのか……それはさすがに自分をあげすぎか。

「うーん……」

 せっかく海外遠征から帰ってきたというのに、空港には迎えてくれるはずだったクラスメイトたちはいない。

 いや……大雪警報でてるからこなくていいよって連絡したのは私……なのだけど、それでも寂しいものは寂しい。

「はぁ……」

 うつむくと滞在先でもらったネックレスが雪の色を反射させてるように見えて、

「……うん」

 自分を奮い立たせた。

 とりあえず空港にはついたのだから、親に連絡してしばらくは戻れないと報告するの同時に、学校にも無事に到着したと報告を。


 数分の電話連絡。


 心配しすぎな親は今にでも車で迎えにきそうだったので、事故起こるからやめてと妹に電話を交代してもらい妨害をお願いした。神隠しのようなかくれんぼ技術を持つ妹なら車の鍵ぐらい天変地異クラスで消してくれるはず。

 先生は安心してた。あと顧問の先生が身につけてきた技術を早く見せてほしいと言葉をもらった。

 海外で得たものは他の部活メンバーにも吸収させていきたい。

 私が勝ち取った海外遠征だけど、部活というチームは国を超えたところで変わらない。私が強くなる前に、私たちが強くならなきゃ大会には勝ち残れない。

 そのために外に出たんだ。負けないように、強くあるように。

「……」

 空港内を歩いてると、皆が立ち往生気味。

 いつ飛行機はでるのかとかそういう話があちこちで叫び声のように響いてる。

 私が乗った飛行機は雪が強くなる前に着陸がなんとかできたからいいけれど、こっちから飛び立つことは今は無理みたい。

 空いてる席を見つけてようやく一息。

「……」

 窓から見える外は真っ白。

 そんなかをタクシー待ちの人が行列を作ってる。

 さすがにタクシーで帰れるほどのお金を持ってるわけでもないので、雪が去った後両親かバスで帰るしか方法はない。

 歩いて帰ることも考えたけど、さすがに遭難するかと人の流れを見ながら大雪が去るのを待った。

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帰国 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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