解説・あとがき
さて。
モチーフは人魚姫。
リトルマーメイドに出てくる、いわゆる流行りの悪役令嬢側?笑 を主人公にした物語でした。
実は色々と史実をもとに膨らませたパーツがいくつかありますので、蛇足にならない程度にその解説をしてみようかと思います。
人魚姫といえばデンマークということで、地名は全て既存のものにしました。
デンマークはユトランド半島、シェラン島、フュン島などの島々からなる国です。
シェラン島にある首都コペンハーゲンには、王宮とエルナの実家があるという設定でした。
そして主な舞台であるアーベルの邸宅は、ユトランド半島の南西部に位置するエスビャウという都市にあります。
デンマークで5番目に大きな都市です。
そして物語中に出てくる隣国ですが、北海が間にあることから判る通り、イギリスとしています。
デンマークの宗教は福音ルーテル教(プロテスタント)、イギリスの宗教はプロテスタント属ではありますが内容は専らカトリックに傾倒していました。
一応宗教的には微妙に違うので、話の都合上、仲が良くないとしてしまってはいますが、実際に両国が宗教をめぐって争ったという史実は見当たりませんのでフィクションと捉えてくださいませ。
またアーベルについてですが、実は実在するデンマーク王の1人をモデルにしました。
1250年即位、1252年戦死という可哀想な方ですが、名前が素敵だったのでモデルにしてしまいました。
第三王子という設定もぴったりだったので、そこからもですね。
フルネームはどの王も正式には判らなかったので、父王や歴代王などから勝手に取ってつけました。
ただ、この『真夜中ロンドで逢いましょう』という作品は、16世紀ごろの話のつもりで書いていたり。
ということで、上記したモチーフたちは色々と年代がばらばらだったりしますので、そこはファンタジーということで、ひとつご了承くださいませ。
それと作品は『過激表現』レーティングを付けておりますが、ちょっとねちっこめのキスシーンを『望まぬ黎明』内でえがきましたので、念の為付けているという感じです。
こんなの過激でもなんでもねぇ〜!と思われる方もいらっしゃるかとは思いますが(私もそっち派ですが笑)念の為であること、ご了承いただけますと幸いです。
▼以外キャラクター設定▼
エルナ・コレット・ブリクセン
Elna・Collet・Blixen
17歳
ブラウンの瞳
オト・クラーツ・ハヴフルー
Otto・Krag・Havfrue
19歳
澄んだ空色の瞳
ニナ・クロイア・ハヴフルー
Nina・Kroyer・Havfrue
15歳
薄い空色の瞳
アーベル・シュレスヴィヒ・ウルフ・ヴァルデマー
Abel・S・W・Valdemar
19歳
エメラルドの瞳
ちなみに作中でも出ました、デン・リレ・ハヴフルーですが…
Den Lille Havfrue
英訳すると
The Little Mermaid
リトルマーメイドです。
アリエル可愛いですよね。
さてさて。
一通り、解説は満足いくくらいは出来た筈です。
モチーフを人魚姫にすることはすぐに決まったんですが、なかなかそれをどうアレンジするか悩み…
私が過去に書いた『真夜中ロンド』という歌詞をどうにか絡めて書いてみよう。
そう思い立ってプロットを練るうちにああいうものが出来上がりました。
読み進めていくうちにモチーフが判るように。
そんなミステリーのようなものにしたくて頑張ってみましたが、果たして上手くいったかは判りません。
鋭い方には一話めでバレてしまったかもですね。
こんな風にファンタジーで頭を染めることは久しぶりで、とても楽しい経験になりました。
そしてこんな所まで読んで下さった方々。
ご精読ありがとうございました。
お口に合うお話であったなら幸せです。
願わくばあなたの夢にも、穏やかな真夜中ロンドが流れますように。
※この作品は、今後様々な御伽噺を題材にした『真夜中シリーズ』として連作とすることといたしました。
また別の御伽噺でお会いできますように。
真夜中ロンドで逢いましょう 七森陽 @7morih
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