マイノリティ
@aya-ha
第1話
私は基本的に笑っている。
当たり前のことだけど、自分の機嫌を保つことには気を付けている。
来てくれた人にひどい態度をとったりして嫌な思いをさせないためだけど、うまくいかないときもある。気性は荒くないが、驚いて泣いていることがある。自分ではどうにもできない。感情のコントロールだけは予測不可能なことが多すぎてマスターできない。
何も最初から落ち着いていたわけではない。こんなふうになったからこそ私には立ち入り禁止区域がある。別に普通にしてたら踏み込まれることはない。だから公言はしていない。普通でいい。手が動かないから口元までご飯運んでもらって、体が動かないから寝かせてもらう、起こしてもらう。この作業サイクルの中なら簡単に私が設けた立ち入り禁止区域を踏み荒らされることはないだろうと思っていたのだけど、何を勘違いしたのか、こっちが誤解させたのかよくわからないけど、立ち入り禁止区域に侵入して踏み荒らしていく。勘弁してほしい。私は、ボロボロになる。
公言しないのは、普通の距離感を保っていてほしいから。だからできるだけ私は何も言わない。アラサーの独身がいきなり病気になったんだから普通でいられるわけがない。そりゃいろいろありました。私だって別に初めからにこにこしていられたわけじャ内から、冷静になれないときもある。本当に長い時間が必要だった。その時間の中で理解した。普通にしていることが私のメンタルケアには必要で大切なことだと。今でも心のバランスを崩してしまう。だから穏やかな日々を心掛けている。私には一番心地いい。障害者だからと言って心までゆだねることは絶対にない。そんなの家族にもあり得ない。普通が一番楽なんだ。
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