第26話 エヘッ! 26
「私の名前は風月。私は風の村に生まれ、風に吹かれて気が付いたら風の山にいて風の王や風の精霊に育てられ、下山する頃には風の侍になっていた。」
こんなんで良ければ火月以外の生まれた村は悲劇的に滅ぼす必要がないのだ。例えば氷月も足を滑らせて氷の山にたどり着いたことにすればいいのだ。
「いらっしゃいませ! 美味しい! 美味しい! お茶とお団子ですよ!」
おみっちゃんは茶店の看板娘のアルバイトをしている。
「とい訳で、気が付いたら風に誘われ茶店に着てお茶を飲んでお団子を食べているという訳です。」
風月は茶店で休憩をしていた。
「不幸なしでも侍になれるんですね。エヘッ!」
不幸なエピソードの人を可哀そうに思ったエヘ幽霊。
「ああ! 誰だ! おまえは私のおみっちゃんに手を出すな!」
火月がやって来た。
「いや、別におまえのものでもないだろう。」
氷月が冷たく言い放つ。
「なら、どうです? 先に隣町の妖怪を倒した者がおみっちゃんと付き合えるというのは。」
風月は提案する。
「いいだろう! 望む所だ! おまえらなんかには負けないぞ!」
火月は対抗心をむき出しにする。
「おみっちゃん。こんな連中の相手は嫌だろうがもう少し辛抱していてくれ。私の物にしてみせるから。」
氷月はおみっちゃんしか目に映らない。
「お先に!」
風月は風になりさっさと隣村に向かう。
「待て! クソ野郎!」
火月たちは隣村に向かう。
「おみっちゃん。あんたも罪な女だね。」
女将さんはおみっちゃんに罪を問う。
「私は可愛いから許してください。エヘッ!」
マイペースでいつも明るく笑顔で前向きなエヘ幽霊。
「それにしても隣村は毎回妖怪に襲われるし、不幸が集まる場所だね。」
呪われた村。その名も隣村。
「お祓いしますか? 私も浄化されちゃいますけど。エヘッ!」
おみっちゃんは幽霊であった。
「ああ~平和って素晴らしいね。」
女将さんは遠くを見つめるのであった。
「出たな! 雑魚妖怪ども! 全て燃やしてやる!」
火月たちは隣村にたどり着いた。
「もう少し強い妖怪はいないのか?」
氷月は相手にとって不足有りだった。
「まあまあ。まだ正義のヒーロー増員中だし、敵の妖怪のキャラクターを出しちゃうと大変だよ。」
物語の流れを気にしてくれる風月。
「くらえ! 妖怪! 燃え尽きろ! これが私の火斬りだ!」
火月は妖怪を火の刀で攻撃する。
「凍てつけ雑魚! 氷斬り!」
氷月は妖怪を氷の刀で攻撃する。
「風よ! 吹け吹け! 風斬り!」
風月は妖怪を風の刀で攻撃する。
「正義は勝つ!」
火月たちは勝ち名乗りを上げる。
「私の勝ちだ!」
「私のおかげだ!」
火月と氷月は取っ組み合いのけんかをする。
「私は風で良かった。こいつらをほっといて茶店に帰ろう。」
一人勝ちする風月であった。
つづく。
おまけ。
「慣れてくると3人でも1000字で終わってしまった。」
小説的には大問題である。スマホ的には文字数が少なくて物語になっているのだから素晴らしい。
「敵も登場させるか。」
10万字基準の小説的には1000字では文字数が少なすぎるからだ。
「結局は物語のスケール=登場キャラクター数。」
これは否定できない。三国志でも信長の野望でもそうだ。
「火侍方式は何でも職業利用可能である。」
火忍者、火農家、火騎士、火剣士、火スライム、火魔法使い、火自動販売機、火ウイルスなど何でもあり。
「がんばろう!」
エイエイオー!
つづく。
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