第23話 エヘッ! 23
「ラララララアラララララララララララッラアッララララララララララララッラララ! ラララララアラララララララララララッラアッララララララララララララッラララ! ラララララアラララララララララララッラアッララララララララララララッラララ!」
茶店で歌姫が歌を歌っていました。歌姫になるという夢を叶えたおみっちゃんです。
「おみっちゃんのおかげで毎日大行列のお客様だ。儲かって仕方がないね。音痴のおみっちゃんの夢に付き合ってやって正解だったね。イヒッ!」
夢を食い物にする守銭奴の女将さん。
「コン。」
油揚げが美味しいと言っているコンコン。
「いらっしゃいませ! 美味しい! 美味しい! お茶とお団子ですよ!」
新しい茶店の看板娘がアルバイトしている。
「おみっちゃん! 出てこいや! おまえにやられた恨みを晴らしに来たぞ!」
昔、おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスだった頃にたくさんの恨みをかっている。
「覚悟しろ! おみっちゃん! 音痴でなくなったエヘ幽霊など! 怖くはないのだ!」
再び現れた赤鬼。
「今日こそはおみっちゃんを倒してやる!」
復讐に燃える赤鬼。
「すいませんが、歌姫は歌を歌っていますし、他のお客様の迷惑になるので帰ってもらえますか。」
茶店のバイトが赤鬼を止める。
「おまえは何者だ?」
赤鬼は尋ねてみた。
「私は風鬼。茶店の看板娘ですよ。」
現れたのは新たな茶店の看板娘の風鬼。鬼といっても妖怪の鬼でも人間なのか分からない。どちらでも良い。問題なし。
「出たな! 看板娘! 今日こそ倒してやる!」
赤鬼は看板娘にも恨みがある。
「くらえ! 鬼に金棒!」
赤鬼は金棒で看板娘を攻撃する。
「いでよ! 風の鎧!」
茶店に風の鎧が現れる。
「なんだ!? 風をまとった鎧が現れただと!?」
赤鬼さんもビックリ。
「こい! 風の鎧よ!」
風の鎧が看板娘に装着されていく。
「だから、こんな看板娘はいないって!?」
こんな看板娘はいないとクレームをつける赤鬼。
「私は孤児だったが、ある日、歌姫に助けられたのだ。」
改装はカット。
「そして歌姫を守る為に激しい特訓に耐えて、茶店の看板娘になったのだ!」
茶店の看板娘になるのは非常に難しいらしい。
「こい! 赤鬼! 私が命を懸けて歌姫を守る、」
風の鎧を装着した風鬼が赤鬼と戦う。
「おみっちゃんの前におまえを倒してやる! くらえ! 赤鬼金棒!」
赤鬼は金棒を振り回して突進してくる。
「何!?」
次の瞬間、火鬼は金棒を風で切り裂く。
「金棒が切れただと!?」
笑っている風鬼。
「こんなもの風の鎧を手に入れるための師匠の修行に比べたら屁でもないぜ。」
風鬼は風の鎧を手に入れるために修行したらしい。
「今度はこっちの番だ! 赤鬼! 受けてみるがいい! 私の疾風を!」
風鬼は鞘から刀を抜く。
「風の刀だと!?」
風鬼の刀は吹き荒れていた。
「私は風に選ばれし風の侍だ!」
風鬼は風の刀を構える。
「くらえ! 赤鬼! これが私の風刀! 風斬り!」
疾風の風の刀で赤鬼を斬る。
「ギャアアアアアアー! 覚えてろよ!」
赤鬼は切り刻まれながら去って行った。
「茶店の平和は私が守る!」
風鬼は赤鬼に勝利した。
「ご清聴ありがとうございました! ああ~気持ち良かった! 歌って素晴らしい! エヘッ!」
歌を歌い終えて満足なエヘ幽霊。
「歌姫がいると茶店が儲かって仕方がないね! イヒッ!」
おみっちゃんのコンサートは毎日大盛況。おかげでお茶とお団子の売り上げも伸びている。
「コンコン。」
儲かっているので美味しい油揚げが食べれて嬉しい茶店の歌姫のコンコン。
「風鬼ちゃん。がんばって働かないと給料を下げるよ。」
金の亡者の女将さんは厳しい。
「はい! がんばります! いらっしゃいませ! 美味しい! 美味しい! お茶とお団子ですよ!」
風鬼の茶店の看板娘生活はつづく。
つづく。
「おまえには茶店の看板娘になるために修行に行ってもらう。」
鬼だの侍だのという職業は捨てて、新しい職業、看板娘にしよう。
「看板娘!?」
茶店でお客様の接客をするホール係だ。武器は和風なので刀。後は忍術が使える。妖怪でも人間でもなれる。
「そうだよ。おみっちゃんだって看板娘になって、歌姫になる夢を叶えたんだからね。」
夢の叶う職業、それが看板娘だ。
「なります! 私、看板娘に!」
こうして拾われた人間の女の子は看板娘になることにした。
「看板娘になって、私の夢を叶える!」
孤児の女の子は夢を叶えるために孤児を目指す。
「おまえには氷の看板娘になってもらう。」
看板娘にも種類があった。
「氷の看板娘?」
ちょっと凍傷は嫌だ~っという顔をする女の子。
「そうだ。おまえの名前は氷鬼にしよう。」
命名、女将さん。
「ええ~! もうちょっとカワイイ名前はないんですか?」
クレームを言う氷鬼。
「ない。嫌なら、もっと変な名前にすることもできるんだよ?」
脅す女将さん。
「はい! 氷山に行ってきます!」
氷鬼は氷の看板娘になるために火山に向かった。ヒマラヤ山でもエベレスト山、旭山でも何でもいい。
「熱い!? これが氷山の中か。」
氷鬼は灼熱の氷山にやって来た。
「すいません。氷の看板娘になるために来たのですが、誰かいませんか?」
氷鬼は尋ねてみた。
「何の用だ。」
その時、誰かが現れた。
「どちら様ですか?」
氷鬼は尋ねてみた。
「私は氷の狼だ。」
氷の狼は自己紹介する。
「私は氷鬼と言います。氷の看板娘になりたいのですがどうすればなれますか?」
氷鬼は尋ねてみた。
「私の元で修行すれば氷の妖術を身に着けることができるよ。」
氷の狼は氷の属性の妖術を使う。
「宜しくお願い致します。私は氷の看板娘になりたいんです。」
氷鬼は氷の狼の元で修行することにした。
「安心しろ。みっちり厳しい修行を着けてやる。ワッハッハー!」
氷の狼は明るく笑う。
「まずは寒中水泳!」
冷たいプールに投げ込まれる氷鬼。
「次に氷の中へ、ポン!」
氷鬼は氷の中に閉じ込められる。
「これだけやれば氷の属性を得ることができるだろう。アハッ!」
大満足な氷の狼。
「その前に死にますがな!?」
氷鬼は氷の属性を手に入れた。
「こんなもの修行じゃない!」
氷鬼は逃亡する。
「助けてください!」
氷鬼に助けを求める村人が。
「どうしたんですか?」
氷鬼は尋ねてみた。
「熱いのでかき氷がしたいのですが氷が無いんです! シロップはあるのに! どうか私に氷を下さい! 熱くて死にそうだ!」
村人の切実な願い。
「くだらない!」
氷鬼は怒って去っていく。
「もっと困っている人を助けるために氷の力を使いたいな。」
氷鬼は思った。
「助けてください! 人殺しだ!」
人殺しが刀を持って暴れていた。
「大変だ! 何とかしなくっちゃ!」
その時、氷鬼の前に冷たい冷気が漂う。
「これは氷の鎧!?」
冷気の中から氷の鎧が現れる。
「私に着ろというのか!? 寒そうだ!? 凍傷しそうで嫌だな!?」
氷の鎧を疑う氷鬼。
「こい! 氷の鎧!」
氷鬼は氷の鎧を装着していく。
「寒くない!? それならそうと最初に言ってよ! 良かった! アハッ!」
氷鬼は大いに喜んだ。
「私が倒してやる! 人殺しめ!」
氷鬼は殺人鬼と相対する。
「おまえはなんだ? 殺してやる!」
殺人鬼は尋ねる。
「私は氷の看板娘! 氷鬼だ! 茶店の看板娘の名にかけて、おまえを倒す!」
氷鬼は氷の看板娘になれた。
「鬼が人を殺す? おかしなことを。人間が鬼を倒すのが正義なんだよ!」
殺人鬼が氷鬼に襲い掛かる。
「鞘が冷たい!? 私に刀を抜けというのか。」
氷の鎧の刀の鞘が凍えている。
「よし! 抜いてやる! 氷の刀よ!」
氷鬼は氷の刀を鞘から抜いた。
「これが氷の刀!? 正に凍える刀だ。」
氷の刀は凍っていた。
「よし! やってやるぞ!」
氷鬼は刀を構える。
「くらえ! 殺人鬼! これが私の氷刀! 氷斬り!」
氷鬼は必殺技を放つ。
「ギャアアアアアアー!」
殺人鬼は倒された。
「やったー! これで私は立派な氷の看板娘だ! わ~い!」
勝利に喜ぶ氷鬼。
「これで茶店の看板娘になれるぞ! やったー!」
氷鬼は茶店に戻ろうとする。
「そういえば・・・・・・これでかき氷を作ることができるぞ!」
氷鬼はかき氷が食べたかった。
「キーン! 冷たくて脊髄に来る!」
氷鬼は美味しくかき氷を村人たちと食べたそうな。
「冷蔵庫代わりに食料を冷やしたり、エアコンの代わりに部屋を冷やすのにも使えるな。アハッ!」
氷鬼の氷の妖術は役に立つのであった。
つづく。
「茶店に帰る道中は長いな。必殺技でも考えるか。」
火鬼は必殺技の火斬りに疑問を抱いていた。
「単純で分かりやすいのだが、それでいいのだろうか?」
これは火鬼という自身の名前にも関係がある。本当に火鬼という名前でいいのか疑問を持っていた。
「紅、紅蓮、焔、火焔、火、炎、火炎、烈火、陽炎。」
この中に私の名前はあるのだろうか?
「電光石火、風林火山、地水火風、十字砲火、鉄火巻、炎天下、花火発射。直火焼き、ローストビーフ。カツオのたたき。」
必殺技の名前って、これでいいのだろうか? 少しズレているかも。でも面白ければ採用される時代。氷はいいな。だって絶対零度とかでいいんだもの。
「なんか正義のヒーローから逸れてきたような。」
やはり最初は真面目に四文字熟語を使用して、ダレたら面白必殺技にした方がいいのか? それとも掴みで最初から面白必殺技の方がいいのだろうか?
「これ火鬼と茶店の看板娘が被る感じかな?」
看板娘の火鬼。からの名前がやはり必要か? 卑弥呼を火弥呼?
「でも、これ。看板娘の名前さえ決めてしまえば、火鬼は敵で使えるな。」
しかもライバル。師匠を同じにすればいいのだ。同門対決。その方が面白そうだな。
「ああ~! 私の名前はなんだ!?」
カレン? 横文字にするか? 絢火? 火憐? 火麟? オリンピックだから聖火?
「名字をなしでやってみるか?」
そもそも、茶店の歌姫は現代劇なのか? 過去や時代劇、異世界で女子の侍は山ほどある。
「現代で女の子の侍が無いのか?」
舞台設定も大変だな。ということは名字に名前がいる。佐藤聖火? 鈴木絢火? 高橋火憐?
「名前に火を無理やり入れるからいけないのか?」
朝起きて日が変わる。
「名字に火を入れて、名前は適当にしてみればいいのか?」
逆転の発想。
「火築。ひきずく。」
変。
「火野昴。ひのすばる。」
火野がセーラー戦士と同じ名字になってしまう。火乃レイでは野を変えただけ。
「火星渉。ひほしわたる。ひぼしわたる。かせいわたる。」
語呂が悪い。
「火歌樹。ひうたいつき。ひかいつき。」
むむむ? 忍術をやめて歌で戦えばいいの?
「火花うさぎ。ひばなうさぎ。」
「火月ケンシロウ。」
試行錯誤、生みの苦しみより大食い動画見てる方が楽しいかも・・・・・・いや、楽しい。
「宝石、惑星、星座、花とかの名前で取るか?」
竜玉の孫悟空も西遊記そのままだしな。ワンピースってオシャレ着だし、コナンは江戸川乱歩とコナン・ドイルを足して割っただけだし。深く考えるな。レイアースは車の名前。ロマサガは山手線の駅。
「ヒット作。ダジャレの名前ばっかりだな。」
アンパンマンなんて、あんぱんだし。ジャムおじさん。バター子さん。
「名前なんて個人・個体を識別できれば何でもよい。」
火子。水子。氷子。雷子。天子。・・・・・・。
火帝、水帝、氷帝、雷帝。天帝・・・・・・。
火野、水野、氷野、雷野、天野。
火乃、水乃、氷乃、雷乃。
火月、水月、氷月、雷月。
火鬼、水鬼、氷鬼。
火提灯、水提灯、氷提灯。
「洋名、和名、入り乱れ!?」
火茶、水茶、氷茶? 合わないな。
火歌、水歌、氷歌? 名前ではないな。どっちかいうと吟遊詩人の必殺技。
「これを一人だとスーパーワンか。」
茶店の歌姫に拘っているのがいけないのか? 異世界ファンタジーのカタカナ横文字に変えるか? 現代ファンタジーにしようという考え方が邪なのか?
歌姫、火姫、氷姫 茶姫?
歌神、火神、氷神 茶神?
「火乃ティファニー? 水乃エルメス? 氷乃ブルガリ? 雷乃ルイヴィトン?」
ワッハッハー! これ面白いわ。商標権で訴えられるのかな? まあ、アニメ化もされないから問題はないだろう。ワッハッハー! 素晴らしい! 気晴らし。
「そうか。深く考えないで初期案でやり切るという方法もある。」
火斬り。火鬼。
イフリート。サラマンダー。フェニックスの剣士? 侍? 鎧? 甲冑?
「睦月、如月、弥生?」
「1月、2月、3月」
「牡羊座、牡牛座、双子座」
「アリエス、タウラス、ジェミニ」
「ジャニュアリー、フェブラリー、マーチ」
「子、丑、寅」
「シンビジウム、フリージア、チューリップ」
「ガーネット、アメシスト、アクアマリン」
こんな事ばかり考えて時間を費やしてしまうのか? これでは問題の答えを見て先に進んでいく東大志望の受験生に勝てないではないか。
「そもそも何と戦うのだろう?」
勧善懲悪であり、主人公は正義。戦う相手は悪。
「腐った人間が化け物になった姿でいいだろう。」
それを鬼? 悪魔? 神? 天使? 精霊? 人間? ゆるキャラ? こうなったら何でもええわ。
「時代劇の茶店の歌姫の現代版・・・・・・主人公が働くのはスタバーにしよう。」
カフェは人気のアルバイトだ。もしかしたら高校生不可だけど。
「歌月にしよう。歌月姫。・・・・・・茶月歌姫。」
茶店歌姫・・・・・・店は名字には使わないだろう。
「歌姫と書いて、ディーヴァ。人は私のことをディーヴァと呼ぶ。」
何とかできた。仮でも先に進めることは大切である。
「これを他にも当てはめる。」
火月煌
水月泉
「名前をカナ?」
茶月ディーヴァ
火月キラ
水月イズミ
「なんか昔もこんなので苦しんだような?」
「時代劇にしよう! そうすれば火月だけでOK!」
朝起きて日が変わる。結論は悩まないで先に進だ。
「プロット?」
①テーマ:一番大事な要素は何か
②世界設定:どんな場所が舞台となるか
③登場人物/キャラクター設定:主人公やヒロインはどんなキャラクターか
④ストーリー:どう始まり、どう展開し、どう終わるか
こんなものを見つけた。茶店の歌姫で真面目に考えたことはないな。やってみよう。
1、面白さ。
2、時代劇。
3、おみっちゃん。
4、茶店でバイトし、敵と戦い、終わってもらっちゃあ困る。
「完璧。」
1話が長くなったので次、いってみよう。
つづく。
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