虚匣 -明けの明星-

Kei

黎明

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 一つの亡骸に縋り、咽び泣く声が明け方の澄んだ空気に溶けていく。

 白む空に、朝の訪れを知らせる小鳥の鳴き声が軽やかに響く中。晴れ晴れとした朝の訪れとは不釣り合いの非日常が、まるで切り抜かれたようにそこにあった。


 全てを死だけが締め括る……そう、これは一つの死へと向かう物語だ。

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