55話目、兄の話(実体験)

今回は私もその場にいて体験したんですが、

私よりも兄が体験した話と言わせて頂きたいお話を聞いてください。


私も兄も小学生だった時の話なんですが、

夏休みに毎年、田舎のおじいちゃんおばあちゃん家に車で遊びに行ってたんですね。

父が運転、母が助手席に座って、

私たち兄弟が後ろに座る。

その時乗ってた車がワンボックスタイプだったので、私たちより後ろには荷物が積んであった。


下道で車を走らせてたら、兄が急に催してしまったんです。

本当はいけない事ですが、まあ、男の人なのでたちしょんするために車を路肩に止めました。

私の兄、もの凄くびびりなんですよ。

車のバックドアのすぐ側でいたしてたらしいんですけど、ものの数秒で帰って来た


しかも怒りながら。


なんだろ、どうしたんだろと思ってたら、私に向かって

「おい!後ろの窓叩くのやめろよ!」

って怒るんですよ


車内に残ってた私たち3人は変な空気になったんです。

車には荷物を積んでいたので、兄の言うバックドアの窓を叩くには、シートを倒して荷物を避けて窓を叩いて、戻ってシートを直さなきゃいけないんですよ。

兄は数秒で戻ってきてるんです。無理ですよ。

ただ、兄はめんどくさいビビりなんで否定したらおじいちゃんおばあちゃん家行かないと騒ぎそうだったので

「あ~私がやった。ごめんごめん」って適当に言って車に乗ってもらったんです。


それで、そのまま無事におじいちゃんおばあちゃん家について、最初に車から降りた兄にすぐ呼ばれた。

もう何なんだよって思いながら、呼ばれたバックドアの方にいくと

「みてみろよ!」

と兄が指差すんです。バックドアの窓を。

見てみると小さな子供の手形が一つあったんです。



というのを自分が活動してる配信プラットホームで話していたんですね

その時、リビングで配信していまして、すぐ側に兄もいたんですよ。

んで、配信をお疲れ様~って切って一息ついてたら、兄が怒るんですよ。

無許可で兄の話をしたので怒られるのは当たり前だったので、ごめんね~と謝ったら

「違う、そっちの話じゃない」って言うんです。

じゃあ、何?って聞いたら

「あの時、手形、たくさんあっただろ!?」

って。


え?


そんなはずないんですよ。

あの時、兄は私にいってすぐに家に入ってしまったんですが、私は父と母を呼んで手形を見せたんです。

その時に母が

「本当だ、気持ち悪いね。こんな所に一つだけって」


父もその母の言葉に頷いていたんです。

兄だけ、兄だけが私たちと違うものを見てたんです。

年を得て、さらに怖くなってしまった兄の体験した恐い話でした。

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