お題30、古い手帳

Aさんという方から聞いた話なんですけど、Aさんのおじいさんが先週亡くなられたんですね。

おじいさん、かなり怖い方で曲がったことも嫌いな正義感が強い方だった。


亡くなる前日までいつも通りの調子で、家族と話す時もハキハキしていたし、散歩も行って、ご飯もしっかり食べてた。けど、次の日、朝起きたら亡くなってた。

結構年も召していたし、皆そんな悲しまなかった。

むしろ、さすがじいちゃん。誰も不安がらせる事無くいったのかと親戚の方も言っていた。

Aさんも悲しんではいなかった。少し寂しいとは思ってはいたんですけどね。

Aさんが亡くなったおじいさんの部屋の片づけをおかあさんとおばあさんと一緒にしてた時、古い手帳を見つけた。

何だろ、とパラパラめくっていくとどうやら日記のようなんですけど、

日にちがかなり飛び飛びだった。

数年前、数か月前とじいちゃん結構ずぼらだなっておもって、眺めていたら最後のページ

死ぬ前日の日付が書かれており、たった一言

これを見てるなら許さないって書かれてた。

Aさん急いで手帳を閉じた。

Aさん、じゃあちゃんと隠しておけよって思ってその手帳をゴミ箱におもっきりINして捨てたですって。

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