お題29、糸瓜

小学校の時の話なんですけど、授業の一環として野菜を育てる授業があったんです。

それで、へちまを育ててたんですね。

授業の一環とはいえ、野菜を育てるなんて初めてで、わくわくしながら休み時間にも様子を見に行ったりしていました

他の子たちより手塩に掛けて育てていた自信があります。

そして、いざ収穫の日。

私は自分で収穫したへちまを持って帰りました。

母にせがんでお願いして、自分でへちまを切ることにしました。

意気揚々とまな板の上に乗せて、へちまを切ってみました。

一刀両断されたへちまを手に持ってみると、目が合いました。

たくさんの目、目、目

へちまの穴全部に人の目がありました。

私はへちまを流し台に投げつけて母親に泣きついたんですね。

母親は見えてなかったのか、食べ物を粗末にしてはいけないと怒られたんですね。

私は恐る恐るへちまを拾い上げて中を覗くと、そこは空洞でした。

あれが何だったのか、いまだにわからないです。

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