百物語

お題27、格子戸

とあるyoutuberさんから聞いた話になります。

その人たち、自分たちの活動でとある心霊スポット扱いされている洞窟に行ったんですね。

洞窟って言っても、整備されていて、洞窟の要所要所にはライトも設置されているような洞窟でした。

まぁ、ようは観光名所だったんですね。

そのyoutuber、２人組だったんですけど、一人が司会進行リアクション係、一人がカメラマンっていう体制でどんどん洞窟内を進んでた。

洞窟の謂れとかカメラに向かって話しながら、奥へ奥へ進んでいくと、格子戸が見えてきた。

何でも、そこに子供の霊がでるとかいう話があったらしいんですね。

一人がいやぁ、こわいですねぇとか言っていると、ふっと電気が消えた。格子戸の周りだけ。

他の自分たちが進んできた道には付いたまま。

何だと思っていると、カメラマンが一人突然バッと逃げ出した。おぉいってもう一人が追いかけようとした時、腕をぐって引っ張られた。

慌てて格子戸の方を振り返ると、誰もいなかった。

その人も思いっきり駆け出して、カメラマンとは洞窟の外で合流した。

カメラマンに怒るんですが、これ見てくれ見てくれってカメラを差し出してきて、なんだよって思いながらもそのカメラを見たんですね。

映像は先ほどの格子戸の所、そのカメラの画像には自分が２人映ってた。

普通に立っている自分と格子戸の中にいる自分。

男性はうわってカメラを思わず落としてしまったんですね。慌てて拾い上げるともう画面は真っ暗で壊れてしまっていた。

なぜ、カメラにあんな閉じ込められた自分が映ったのか。

ネットで転がっている話では、そんな話は一つもなかったんですけどね。