第5話 心の心底

魔王のと出会いから9年経った。その間、世界の常識を知り、楽しい日々を過ごした。初めて見る食べ物。服、髪型。メイドこと、オリエヴィアから話を聞き続けた。時折、魔王こと、マーシャも話に加わりながらそこそこ充実した日々を過ごした。


そして、月に一回は来る勇者御一行に興味を持っていった。負けるたびに少しずつ強くなってくる。楽しそうに見えた。だから、知りたくなった。人間という生物を。


だから、すぐに行動に移すことにした。


「僕は人間の国に行って勇者御一行の仲間になりたい。」


「「は?」」


ハモった。丁寧に説明しないとわかってもらえないだろう。


「僕は勇者に興味を持った。彼らは負けるたびに強くなって帰ってくる。それが楽しそうなのだ。だから知りたくなったのだ。」


は?という顔から戻っていない二人は置いておいて、


「じゃあ、明日から行くから。おやすみ。」


「え?」「はぁ」


二人は違う反応を取っていた。しかし僕は決めたんだ。僕を止められる奴はいない。(物理的に)


そして、翌日。僕は早く起き、転移魔法を使い、メイドから聞いていた国の方向に移動する。いざ、クロニカ王国へ。








ちなみに、これは失敗だった。いっそう人間が嫌いになってしまった。故に帰ることにした。







[オリエヴィア視点]

私はご主人様のことが好きだ。心から愛していると言っても過言ではない。初めてあったというのに、懐かしさを感じた。初々しい反応が好きで、からかってたりして、それでむくれている顔が可愛くて、


だけど、報われないのは分かっている。でも、この心は伝えたい。長い時間もあることだから、いつか、いつか、伝えたい。


しかし、ある日唐突に離れることになる。


「僕は人間の国に行って勇者御一行の仲間になりたい。」


意味がわからずに、は?という反応しかできなかった。


その後の会話は頭に入っていない。鈍器で頭を殴られたような衝撃がした。


その後、彼は寝て、魔王様は部屋に帰った後、私は彼の頭を撫でていた。きっと旅には連れていってくれない。


なら、帰ってくる場所はきれいにして、いつ帰ってきてくれてもいいように。いつかこの心を伝えられるように。


ご主人様な隣に立てるように。この言葉がいつか届くように。





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作者の1番の推しはオリエヴィアです。一途な感じがいいですね。この後も沢山の伏線を置いていきますので、探してみてください。


この最近伸びがいいので、作者は嬉しい限りです。


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