魔神王の僕は国と勇者パーティから追放されたので魔王城に帰って楽しく暮らしますー帰り途中で見つけた美少女エルフと一緒にー

笹篠巴

一章 始まりの戦い

プロローグ

「急に呼び出してすまないな。勇者と、共に旅するものたちよ。」


顔に影をつくり、悲しそうにしている。わけはない。口角が少し上がっている。


「今日は伝えないといけないことがある。」


そういうと、次は勇者とパーティメンバーの女二人が気持ち悪い笑みを浮かべて、こちらを見ている。


醜悪だな。これだから人間はつまらん、と心の底から思ってしまう。しかし、この話は僕にとっても嬉しい話だ。


追放だろ?いやね?僕も抜けたかったよ?でもさ、なんか僕から言うと人間に負けた気がするじゃん?だから、僕からじゃなく、相手側から言って欲しかったの。


いや、勇者よ。そんなにニヤけんな。僕もニヤけちゃいそうだから。


そして、王が、


「魔法使い、シュガは今をもって国と勇者パーティから追放とする。」


「いよっしゃぁぁぁぁぁ!!!」


あ、やべ。素が出ちゃった。まぁ、もういいよね。


「ありがと。めっちゃ嬉しい。んじゃ、さよなら。」


そして、勇者に一瞥すると、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。面白い。写真撮って欲しいわ。


そして、収納魔法を起動し、杖を収納し、僕の本当の武器を取り出す。


カチャンッ


鈍い金属の音がなる。


その武器の名を、


『魔神の大鎌』


紫を基調とする柄の部分の先端に、湾曲した漆黒よりも純粋な黒さを放つ刃が付けられている。これは、僕の魔力の純度100%で出来ている。


そんなに怖がるなよ。お前たちを殺すわけじゃない。たしかに、お前らは嫌いだ。特に王が嫌いだ。この城は、この国にいる宮廷魔導士全員で作り上げた結晶とも呼べる、結界で守られている。


そんな、温室のような場所で生きて、他人を踏み躙ったりする奴は大嫌いだ。己の力じゃない。だから、嫌いだ。


しかし、この結界は勇者でも、破壊困難な代物だ。ま、余裕で破壊できるけどね?開けてくれるなら開けて欲しいんだけど。


「……。」


開ける命令は出さないか。ならばぶち破るだけだ。


そうして、鎌を上に大きく振り上げる。


スパンッ



バギィィィィィィン


城壁と結界を一刀両断する。僕が通るための道を開ける。大丈夫だ。怪我人はいない。綺麗に切ったのだから。


「は?」


勇者が素っ頓狂な声を出す。


「じゃあな、クソども。グッバイ。」


地面を強く蹴り、青く晴れた空に飛び込む。そして、国の塀を越え、そして、整地された道路のようなところに着地する。そして、風魔法に言葉を乗せて飛ばす。


『今から、帰ります。久しぶりにご飯を食べようね。』


ふっ


行き先は、魔王城へ。

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